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3/秘密が大好きな姉【修正版】

いつもビクビクしている事その2。


大きくシナリオの構成って……

『セリフ』と『ト書き(セリフ以外)』がありますよね。


セリフが弾みすぎると、ト書き入れたくなって。

ト書きが多いと、文面が重たくなって軽いセリフを入れたがる。


ちゃんと構成しなきゃいけないのはわかってますが、

なにぶん勢いで書くと変に気を遣います(笑)

●自宅(夜)


 叔父との”会食”を終え、自宅に帰ってくる。

 シュン、照明をつけて居間に入る。


 小さいながらも我が家。

 まだ引っ越して3ヶ月ほどだが、十分に生活臭が漂ってくる。


 シュン、会食用のスーツを脱ぎ、小綺麗にハンガーにかける。


 すかさず上着の内ポケットを確認する。

 左のポケットには、3本のボールペン。

 そのノック式の先端が露出している。 

 

「次の依頼は来週か……」


 ”会食”の後、叔父から渡されたボールペン。

 どこにでも売っている事務用品の見た目、その1つである。

 赤、青、黒と綺麗に並んでいる。 


「こんなモンでポックリ逝っちゃうなんて……ろくな死に方じゃないよな……」


 と、自嘲する。

 それを上下のスーツごと、クローゼットに仕舞う。

 部屋着の袖を通している時、ふと手が止まった。


「姉さん、いる?」


 ――返事はない。

 

 部屋の隅、ひっそりと立つ姿見に目を移す。


 ――やはり、いない。

 

 鏡の中には、当然ながら部屋着のシュンが立っている。


 つまり、ムラサキは部屋にいない。

 どうやら寄り道をしているみたいだ。


「……さっきまではいたのに……ったく……」

 

 あまり本人にいえた事ではないが、近くにいないと心配が尽きない。

 いつまたどこで、他人の日常生活を覗いているのか。

 それがとても心配で、どうしようもない。


 シュンが『姉さん』と呼ぶ存在。

 それは”雲外鏡”と呼ばれる、鏡の妖怪。

 またの名を”ムラサキカガミ”。

 鏡の中を行き来できる、不幸を司る妖怪である。

 

 その存在の元となった怪談には、不吉を届ける妖怪ともいわれている。

 有名なところでは『20歳までにムラサキカガミという言葉を覚えていると死んでしまう』というものだ。

 

 実際、シュンはまだ18歳。

 まだ確証はないが、シュンを猫かわいがりしているムラサキからは想像できない。


 怪談が真実にしろ、嘘にしろ。

 実際にこうしてピッタリと生活を共にしているのだから仕方がない。



×××× ×××× ××××



「ただいま、シュンちゃん」

「あ、おかえり、姉さん」


 就寝前、布団に寝っ転がっているとムラサキの声がした。

 同時、姿見にムラサキの姿が映る。


 紫色の花をあしらった着物の女性。

 姿見と身長同じくする彼女は、鎖骨を露出させた艶姿。

 肌はオシロイをまぶしたかのような、透き通る色白。

 唇は瑞々しく、そして真紅の色。


 それらの色は互いに主張しつつも、1つにまとまりをみせる。

 鮮明に映る、1人の女性。 

 ――その出で立ちはまるで絵画に残された絶世の美女。


「……遅かったけど、なにしてたの?」

 

 ふふ、と鏡に映る美女が微笑む。


「知りたい?」

「……とりあえずは……」


 正直、言葉と裏腹に聞く気もあまりない。

 ある程度、聞き流して機嫌良くいてもらおうという魂胆だ。

 

 枕元に出るとはよくいったものだ。

 彼女の機嫌が悪いと、就寝後も話しかけてきて寝かせてくれない。


「実はね……」


 と、シュンと目が合う。


「……んー……やっぱり秘密」

「なんで?」


「だって、いっちゃったら同情誘うみたいでなんかムカつくから」

「同情? ムカつく?」


 珍しい事もあるものだ。

 秘密大好き。

 噂話大好き。

 誇張大好き。

 そんな享楽主義者の姉が、話題を広げなかった。

 

 それはそれで、妙に関心がわく。


「何があったの?」

「……知りたい?」

「うん」


「本当の、本当に?」

「うん」


 改めて、思う。

 他人に知られたくない事を、人は秘密に呼ぶ。

 他人に知っても大丈夫な事は、秘密といわない。


 そして秘密にしている理由も当然、存在する。

 他人とある程度、有効を保つためには、理由を尊重する事も。

 時には、見て見ぬ振りをする事も必要だ。


 シュンの場合。

 大半は、見て見ぬ振りをしてきた。

 その方が都合上、気楽だから。

 他人と距離を置いておけば、互いに傷つく事はない。


「なんかエリコちゃん、ひと回りくらい年上の男にいい寄られてたわよ。『デート』とか『最高級のバッグ』って。あんまり穏やかな感じじゃなかったけど?」


 ――しかし、この時どうしてか。


「そう、なんだ……」


 嫉妬や悲しみ。

 様々な感情が腹の底で煮える。


 まるでベッコウ飴のように。

 溶けた感情。

 粘着な感情。

 光沢を放つ感情。


 これらの感情をどう表現すればいいのだろうか。

読了、ありがとうございます。


設定が先走った内容になりますが、今作は簡単にまとめていきたいと思います。


生暖かく見守っていてください。

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