15/エピローグ
「あ~やっちゃた」と思う事その4。
ストーリーの結末が尻すぼみすぎる。
風呂敷広げといて、汚く畳む。
例え方は色々あれど、
話を段々面白くする展開って難しいですよね(遠い目)
なによりそれを練習するための作品でもあるので、
日々、精進します。
●自宅(夜)
「ただいまぁ~」
「お帰りなさい、シュンちゃん」
シュン、ネクタイを緩めながら革靴を脱ぎ捨てる。
そのまま居間に入ると、隅に畳んでいたセンベイ布団に腰を落とす。
「あぁ~疲れたぁ~」
「ふふ、やっぱり……こっぴどく叱られたわね」
両足を投げ出すシュン。
上半身を深く、布団に沈ませる。
スーツがシワになっても構わない。
どうせ叔父からの暗殺依頼、通称”会食”にしか着ていかない服だ。
昨日のストーカー事件。
暗殺の該当者ではない、海藤マサキに対して無断で神経毒を使用した失態だ。
結果として、当分は暗殺依頼は保留。
それにより、自動的に10人目の暗殺依頼は延期。
処罰は、追って通達となった。
警察も、昨日の事件を捜査している最中だ。
現場での証言者も乏しく、事件は難航している様子。
そして海藤マサキの死因は、心臓麻痺。
しかし、彼の若さや健康状態から見て急性の症状はまずありえないとの事。
そのため他殺を軸に捜査をしているらしい。
したがって、叔父から厳重注意を受けた。
事件解決の糸口が見つからないように、斡旋を一時的に絶つのだという。
事態が落ち着くまでは大人しくしていろ、との事。
姿見の中、ムラサキが身を屈める。
「そういえばシュンちゃん知ってた? エリコちゃんね、ファーストフードのアルバイト、辞めちゃうんですって」
「へぇー、そうなん……」
途端、シュンが跳ねて起きる。
「……? なに?」
「なんで姉さんが、エリコのバイト事情なんか知ってるの?」
「エリコちゃんと女子会したのよ?」
「……はい?」
「それでもうっエリコちゃんカワイイのよぉ~!」
どうやら夜に1人でいるのが怖いらしい。
無理もない事だが、孤独に耐えられないのだそうだ。
「……それで安心させるために今日も大峰の家で女子会を開くと? そういう事ですか『鏡の妖精さん』?」
正解よ、と悪びれなく微笑するムラサキ。
鏡の妖怪であるムラサキと会話できる、認知できる人間は少ない。
そうした意味では、エリコは貴重な話相手には違いないだろう。
「『鏡の妖精さん』、『ねぇ鏡の妖精さん』って呼ばれるのよ。私も嬉しくて!」
その様子だと、ついつい話が弾んでいるそうだ。
良い事なのか、どうなのか。
「あ、大丈夫よ。シュンちゃんの事は話してないから。でも、エリコちゃんの方からは『シュンは……』って話題がいっぱい出てくるけどね!」
「……ふーん」
「エリコちゃんは犬も好きだけど、猫も好きなんですって。実家には猫もいるみたい。今度はそっち系をプレゼントしてあげたら?」
「……ふーん」
「……ふーんて、なぁにその反応。引っかかるわね」
「……いいたい事あるんだけど、聞きたい?」
ええぜひ、と相槌を打つムラサキ。
「人と仲良くなりたきゃ秘密なんて知らなくていいんだよ、姉さん」
最後まで読了、ありがとうございます。
散々、簡単にまとめる事を意識しながらも……
ここまで長く書いちゃいました……(汗)
今回は『秘密』をテーマにしてみましたが、
個人的にはもっと『ムラサキとの甘々な会話』が書きたかったです。
ええ、私は姉属性スキーなので(どうでもいい暴言)
時間があれば、設定などを活かしていきたいと思います。
私事が多めな後書きですが……
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。




