どこだここは?
んっ?
なんだ?
日差しに照らせれている様な暖かさに、体が包まれているように感じる。仰向けに寝ているのはわかる。でも目が開かない、手は・・・少し動く、足も・・・少し動く。目を開けられない為、暗闇の中で思案する。俺は一体どうしたんだ? えーっと何してたんだっけな・・・そう思っていると、どこからか音が聞こえてくる。
キン・・・キンキン
何かを叩いた様な音が聞こえる
まぁいいや、なんだか眠い、もう少しゆっくりしていよう・・・・・・そう思っていたら、どこからか男の声が聞こえてきた。
「おい、しっかりしろ!」
誰だろう、誰かが叫んでいる。
「起きろ小僧! 死ぬぞ!」
死ぬって誰が?
「くそ、こいつ気絶してるのか? おい!」
体を揺さぶられようやく気づいた。もしかして俺の事? えっ? どういう事?
「だめだ、起きやしねー」
「死んでるんじゃねーか? もう放っておこう、俺達まで死んでしまうぞ」
いや起きてるよ、でも目が開かないから状況が解らない。
周りでは騒がしく何かを弾く様にキン、キン、キンと音がなっている。
「ばかやろー、どう考えても生きてるだろ。くそっなんで起きねんだ」
「しかし多勢に無勢だぞ、このままじゃやられる」
ギャギャギャ
男達の声以外に獣の様な声が周りにこだまする。
「くそ、ゴブリンの群れに出会ってしまうとは」
え? ゴブリン? なんだそれ? ゴブリンってあの漫画に出てくるようなモンスター?
「カタツ、もう持たないぞ!」
「なんでこいつはゴブリンの森で、気持ちよさそうに寝てやがるんだ!」
なるほどなるほど、俺はゴブリンの森で寝ていたらしい。そらゴブリンの群に襲われるよね。うん、男達は俺を助けようとしてくれているのか?
ってか、早く目を開けないとやばくない? えーっとどうすりゃいいんだ?っと考えていると暗闇の中、ぼやっとした光を感じた。光はだんだんと大きくなり、一気にまばゆい光が拡散したと思ったら状況は一変した。
「「マスターの意識混濁を確認、これよりオートモードに切り替えます」」
何かの声が頭の中に響く。
「「オートモード開始・・・・・・物理攻撃魔法を創造・・・・・・失敗。物理攻撃魔法を創造・・・・・・失敗」」
何度も何度も同じ失敗を繰り返す声。ってか魔法を創造って漫画かよ!
「「物理攻撃魔法を創造・・・・・・成功、スターダストの創造を確認。スターダストを放ちますか?」」
え? スターダスト? なんだそれ? でもなんだかやばい状況だし、目も見えないけど放ってみるか?
イエス! スターダストを放て!
「「マスターより了承、スターダストを放ちます」」
すると勝手に俺の左手が空に向けて伸ばされる。
「スターダスト」
俺の声でそうつぶやくと、周りにシュバっと音がこだまする。目が見えていないけど、俺の手から何かが放たれたようだ。
グギャー!! ウギャー!
次々とモンスターの声が聞こえてきては消えていく。 リズムよく、周りにはジュッ、ジュッ、ジュッ・・・・・・っと何かが焦げた様な音が聞こえてくる。
音が止むと、また男達の声が聞こえてきたが、すごく眠い・・・・・・何を話していんだろうっと思いながら、俺の意識は薄れていく。
「一体なんだったんだ、さっきの光は?」
「解らん、解らんがどうやらこの小僧がやったらしいぞ」
「ハハハ・・・訳が解らないな、寝ながら魔法を放つなんて」
「とりあえず助かったな、しかしこいつをこのままにしてはおけない、砦まで運ぶぞ」
「ほんとカタツは子供を見ると放っておけないよな」
「こんな子供が森の中で倒れていたら、危ないだろ? つべこべ言うな!」
「はいはい、俺が前を歩くから、カタツはその子を頼む」
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・
ん? もう朝か? なんだか凄い寝た気がする。そう思いながら目を開けると、見た事の無い天井が見える。
「どこだここは?」
視界に入ってきたのは、ログハウスのような木で組まれた家の様だ。俺はベッドに寝かされていたようだ。えーっと俺って何してたんだっけな?
「あら? やっと目を覚ましたのね」
声の方を見ると、フクヨカなおばちゃんが話しかけてきた。
「あんた、3日間も寝てたんだよ? 一体森で何をしてたんだい?」
「いや、解らないです。全く記憶が無いんですが、お姉さんが助けてくれたんですか?」
「あらやだ、お姉さんなんて。違うわよ、あんたが倒れているのをカタツ様が見つけて、ここに運んできたのさ」
そういえばカタツって名前に聞き覚えがあるな。えーっと確か森の中で・・・・・・あっゴブリンに襲われている時に助けてくれた人だ。
ん? ゴブリン? 漫画じゃあるまいしゴブリンなんているはずないだろ、どうかしてるな俺。
「まぁ水でも飲みな」
水が入ったコップを渡されて、水を飲んでいるとお姉さんが話しかけてきた。
「しっかしゴブリンの群に襲われたと聞いたよ、よく無事だったね」
ブホッ! 咳き込む俺
「ほら、そんな急に飲んだらだめだよ。3日間何も口に入れてなかったんだから、ゆっくり飲みな」
・・・・・・やっぱりゴブリンだったんだ。
「あの、ここはどこですか?」
「ここはダンテの砦の中だよ」
「ダンテ? どこですかそれ?」
「あらやだ、あなた記憶がないの? ダンテの砦はルシフェール王国の東にある砦さ」
「そっそうなんですか」
ルシフェール王国ってどこだよ、ってか砦って現代で聞かないぞ!
「ちょっと待ってな、カタツ様を呼んでくるから」
そういってお姉さんは外に出て行った。俺はベッドに倒れて見た事の無い天井を見上げながら思う。
これ・・・・・・あれか。異世界転生ってやつか? マジか? マジなのか?
周りを見渡すと、どう考えても現代とは違う装いに気づく。イメージとしては中世のような感じだ。文明はそこそこあるが科学は発達していないような感じだ。
すると外から声が聞こえてきた。
「おっ小僧が起きたのか?」
「はい、いま水を飲んでいます。ただカタツ様、あの子少し記憶を失っている様で」
「なんだと、危険な目にあって少し困惑しているのかな、まぁ俺が話すとしよう」
扉が開かれると、大男が現れた。
「やっと起きたのか? 3日間も寝てたんだぞお前」
「あっそうみたいですね。 カタツ様? あの、助けて頂いた様で、ありがとうございます」
「まぁ助けたと言うかなんと言うか・・・・・・しかしお前ゴブリンの森で一人で寝っ転がって何をしてたんだ?」
「いやー、それが全く記憶に無くてですね、私も解りません」
「そうか、よっぽど怖い思いでもしたのかもしれないな、名前は」
「えーっと名前、名前・・・・・・」
その時、頭の中に声が聞こえてくる。
「「マスターの意識再生を確認。これよりヘルプモードに切り替わります」」
「え? 誰だ?」
「どうした小僧?」
「いや、なんか声がしてきて」
「声? 俺達以外に誰も居ないぞ?」
するとまた声が聞こえてくる。
「「マスターの名前を確認、マスターの名前はコウガ・ミナモトです」」
なんだこの声? ってか俺の名前をなんで知ってるんだよっと思ったが、目の前の男が困惑しているので、とりあえず名前を答えることにした。
「すいません変なこと言って。名前は思い出しました。コウガ・ミナモトというらしいです」
「らしいですってお前・・・・・・しかし姓があると言うことは貴族の子か?」
「え? 貴族って?」
「普通は名前しかないからな、姓名があるのは貴族以上の身分だけなんだ」
「そっそうなんですか、でも私は貴族かどうかも・・・・・・」
「まぁなんだ、おいおい思いだしていけば良い。とりあえずリアナ、こいつにスープかなんか温かいものと喉に通りやすいものを食べさしてやってくれ」
そういうとカタツという大男は扉をあけて、外に出て行った。
えーっと状況が全く解らないな。まぁいっか、とりあえずお腹が減ったし、食べ物をくれるようだから食べてから考えよう。
「ほら、あんたは病み上がりなんだから、もう少し寝てな、ご飯ができたら起こしてあげるよ」
「はい、あの、ありがとうございます」
ベットに寝転がると色々と思案していたが、だんだんとまた眠くなってきて俺は意識を手放した。
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