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第9撫で ~異世界での暮らし慣れないことはやっぱり多いよね☆~

眩しい太陽の日差しが顔に当たる


今日も清々しい朝だ、この世界に来てから一週間ほどたっただろうか

来てからというもの雨を見ていない気がする、

俺は雨は好きじゃないので雨は降らなくてもいいのだが

昔祖母が「たまには雨が降らないと畑の作物が」と言っていたような気がする、

この村には作物を作っている場所もある、日々の水やりをすれば水はいらないのかもしれないが、


実際どうなんだろうか、ベットから起き机の上に置いてある服を着る、さすがに今までいた世界の服は目立つし警戒されるからとアレスさんの昔来ていたものをもらった、

昔といえどアレスさんの体格はがっしり締まっていて、

反対に俺の体格はひょろひょろなのでかなり大きいのだが着れなくはない、

自室から出て廊下を歩いていく、

歩くたびにぎしぎしと床がきしむ音がする、この音を聞いていると祖母の家を思い出してしまう。






居間にでると台所でクリスさんが朝ごはんの支度をしているのが見える、俺は声をかける


「おはようございますクリスさん、なに手伝えることはありませんか?」


「そうねえ、お水を汲んできてくれないかしら?ついでに顔も洗っていらっしゃい」


俺はうなずき、そばに立てかけていたあった木の桶のようなものを取り

裏口から外に出ると、井戸が見える。


やはり蛇口やウォーターサーバーなど存在しない、いちいち井戸から汲んでこないといけない、

紐につながれたバケツを井戸の中に落とし紐を引っ張る、引き上げているうちにバケツが壁にあたりガガガっと音がする引き上げて中を見るとやはり苔のようなものが水の上に浮いていた、

苔を手ですくいそこらへんにほっぽる、

元居た世界がどれほど文明が進んでいたのかを思い出す、

蛇口などの作り方はわからないが、この世界にも作れるのだろうか、


数日過ごしていると、この世界が夢と言うより現実だと言う気持ちの方が大きくなっていた、

なら今すべきことは異世界を楽しみ生きること


持ってきた桶がいっぱいになるまで繰り返す、

水がたくさん入り重くなった桶を、クリスさんの元へもって行く。


「ありがとうリョーヤ君、もうすぐご飯できるからアリシアとクロちゃんを起こしてきてくれないかしら」


「わかりました」



ドアの前に立ちノックする


「クロ、起きてる?」


返事はないこの世界に来てから分かったことだがクロは朝に弱いらしい。

ドアを開けるとすうすうと寝息を立てながら眠るクロの頭が見える、

隣には黄色い頭がひょこっと顔を出している、


そういえば昨日はアリシアちゃんと一緒に寝るとか言っていたな、

まるで姉妹みたいだ、まあ姉妹がどんなものなのか俺にはわからないが、



「ほらクロ、アリシアちゃんもう朝だよ、おきて」



クロの体を揺するが一向に起きる気配はない

先に起きたのはアリシアちゃんだった。


「あしゃ?」


眠そうに眼をこすりながら天s…アリシアちゃんが目を覚ます。


「そうだよ朝だよおはよう」


「おにしゃんおはおー」


なぜか俺はアリシアちゃんにお兄さんと呼ばれている、クロはお姉ちゃんらしい。



「えい!」


アリシアちゃんはクロの鼻をつまむ、


「ふっふがっtt!」


情けない声を出しながらクロが飛び起きる。


「おねーちゃんおはよー」


アリシアちゃんがクロに抱き着く


「うんおはよーアリシアちゃん、ごしゅじんもおやすみー」


いや二度寝をしようとするんじゃない、


「よしそれじゃあクリスさんにクロはご飯いらないって言っておくな」


二度寝を始めようとしていたクロのしっぽがピーンと伸び、

まるでバネのように飛び起き、俺へ突撃してくる。

俺はそれを抱き留め頭を撫でる、寝ぐせはあるが相変わらず気持ちのいい撫で心地だ。



居間に戻るとアレスさんが椅子に座っていた、


「お疲れ様ですアレスさん、周囲の様子はどうでしたか?」


アレスさんは毎日朝早くに起きると村と村の周囲の見回りを行っていた、初日から昨日まで俺も一緒に行っていたのだが、昨日の食料調達は困難を極めていた、近場の果実は取りつくしていて、新しいのは未だ生っていなかった、魔物や動物の被害にあっていたものも多く、夜遅くまで帰ってこれなかった、

その疲労を見越してか今日は休ませてくれていた、アレスさんも疲れているはずなのに。



「ああ村は何も問題なしだ家畜にも被害はなかった、だが森の中に妙な足跡があった」


「足跡?」


「ああかなり大きい足跡だ、アリシアと一緒か少し小さいくらいだが、足跡の感覚からして四足歩行だろう、その足跡の大きさで四足歩行となるとかなりでかいだろう、あとで痕跡探しと罠を仕掛けに行くぞ、

食料の貯蓄も長く見て2ヶ月程だ、だがこの先どうなるか分からない、

魔物も食料を探してさ迷っているからな」





そのあと朝食を食べ終わった後、アレスさんと村の外へ出ようとすると、


白髪の老人が門の前に立っていた。



「これは村長どうなされたのですが?」


ラルコット村の村長セミバス、威厳がありそうな顔立ちの彼は俺を睨むように見ている。

よそ者の俺を敵視している、この世界に来た次の日にクロと一緒に挨拶しに行ったのだが、

表向きは歓迎してる風を装った、とげのある言葉をたくさん頂戴した。


「それでアレス大きな足跡を発見したは本当かね?」


「ええそれもかなり大型です、もし奴がこの村に来たら大変なことになります、ですから今から偵察もかねて罠を仕掛けに行ってまいります」


「お前が呼び寄せたんじゃないのか?まさかこの村を破壊させる気じゃないだろうな?」


おい、この爺さんどんだけ俺が嫌いなんだ、まあこの程度で怒るほど俺は小さい人間ではない、

少なくとも魔の9年間を生き抜いた俺にはな。


「現段階では分かりません、それを調べるためにこれから行ってくるのです、留守の間村をお願いします。」


「言われなくてもわかっている」


村長は最後に俺を睨みつけるというプレゼントを渡しながら去っていった。



「まあ気にすんな、村長は気難しい人なんだ」


「気にしてませんから大丈夫ですよ、ですが本人を目の前にして言うのはどうかと思いますが」



もしあんな奴が会社でも入ったら一瞬で嫌われものだろうなあ、

だが、そうだな、一個人ではなく村のことを考えてるからこその発言だろう…

うん、そう信じたい

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