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第7撫で ~とある帝国総帥の少女の憂鬱~

カツカツカツと軍靴で鳴らす音が廊下に響き渡る、

帝国のトップに立つ少女は自室へと向かっていた。


廊下の曲がり角から誰かの話し声が聞こえる、

少女は身を潜め、その声に耳を立てる。


「---本当に無能な馬鹿どもは先のことが見えてないようだな」


「ええまったくそうですよおっ!あんな小娘に帝国の未来が握られていると思うと不安で不安でありませんねぇ」


少女はこっそりと物陰から覗く、あれは今は名ばかりの大臣と…誰だ?思い出せん、

私の父が亡くなった時に挨拶に来たが…あのにやけ顔が腹に立つ。



「本当だな、戦争を経験したことがない小娘が本当に支配による政治ができるとでも思っているのか?

無理に決まっておろう、父親が王国に頭をたれ、命乞いをした男の娘が



「おい」


「!?」


私は彼の腰に蹴りを入れ地面に這いつくばらせる、

その上に足を置き剣を顔の真横に突き立てる。



「大臣と名ばかりの自室でふんぞり返ってることしかできない無能さんがこんなところで何やってるんだ?

私の部屋の近くで私の悪口とはいい度胸ね、先が見えてない?見えてないのはあんたたちの方でしょ?

毎日毎日そこら辺の女に言い寄ってたり、苦情が来てるのわかる?

いい?今の帝国は実力主義なの、せいぜい今のあんたの権限なんか豚小屋の豚に餌をやる程度のものよ、

いやあんた自身が豚なんだからいっそ一緒に暮らさせてあげようかしら?

お父様があなたのことを多少は信頼していたからまだあなたはここにいられるの、

人の悪口言ってる暇があるなら、さっさと手柄を立てなさい、

私の役に立つことだけ考えてればいいの、

さもないとここから(浮遊要塞都市)から落とすわよ?」


大臣は脱兎のごとく逃げていく、



「さてと貴方もあんなのと関わるのはやめなさい碌なことにならないわよ、もし私と敵対するというのであれば完膚なきまでに叩きのめすから覚悟しなさい。」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




自室のベットの上で体を休ませる少女。





やっぱり軍の中に私をよく思ってない奴はいるものね、

私が帝国のトップになってからどうすれば皆が平和に暮らせるのかを考えてきたつもりだ

数年前まだ父が領地を治めていた時、

忌々しい敵国との戦争で敵国の兵士に虐げられていたとある家族の表情が、

「助けて」と物陰から見ていた私に救いを求めたときの表情が今でも頭から離れない


敗戦国の末路とは皆このようなものなのだろうか……


その時扉がノックされる。


「入れ。」


「おやおや相変わらず女性としての感情がたりませんねえ」


「うるさい、もう慣れたものだろう?ミュートル」


書類を持ちながらメガネをかけた男性が入ってくる

彼はミュートル・ハイム、わが帝国軍の将校だ、

父の時代からずっと帝国に仕えている。


「総帥殿も恋の一つでも知ればもっとお淑やかな女性になると思うんですけどね」


「他人がいない時に総帥はやめろ、そう呼ばれるのはちょっとイラつく

それにお淑やかだと?

いままでずっと彼女のひとつも出来たことがない

お前が言っても説得力が一切ないが」


「今まで恋人など考えたこともないですからねえ、外に出るといろいろな方に声はかけていただけるのですが、

私の中にあるのはこの帝国を成長させることのみです」


そうだな街に視察に出るたびに大勢の娘がよってくる、本人はああいっているのだが一部では男が好きなんて騒がれてたりするが、

どうでもいい実際私の監視役である奴が

女どもに捕まっているときは自由に行動できる。

数か月前ほどだろうか、奴の飲み物に睡眠薬を混ぜ、縄で縛ってそこら辺に吊るしてから

街に出かけたのだが、町の入り口になぜか奴がいた、目を疑ったがまぎれもなく本人だった


それから幾度に渡り妨害工作を計画、実行したところ女どもに捕まっている時だけ、

自由な時間が生まれることが分かった。



私は縛るのは好きだが縛られたくはない。



「それで、その持っている書類は?」


「こちら今回出陣する帝国兵団のリストと調査隊に調べさせた現在王都にいる王国軍のおおよその数です。


書類に目を通していく。


帝国兵7万に対し王国兵100万、まさに無謀としか言えない

それに帝国兵の約4割近くは訓練を積んでいるとはいえ少し前までただの住人だった帝国国民、

帝国の勝利のために力を貸してくれている、犠牲は少ないほうがいいが、大きな犠牲が出てしまうのは避けられない。


「そういえば例の新型兵器の生産は順調?」


「はい、このペースでいけば開戦までにはすべての兵士に行き渡るかと。」


「あとはそうね、問題はないとは信じたいけどここ戦ってる最中にここを狙われたら厄介だわ、

兵を下ろしたら空に避難させるけど魔法が飛んでこないとも限らない、

魔導部隊を三割・・・・いや四割一緒に空へ飛翔させて障壁を展開させましょう、

帰る家を落とさせないためにも、

そのためには魔道部隊の強化も必須ねせめて複数人で、

【広範囲爆破魔法・ビックバン】は防げるようにしてもらわないと、地上の魔導部隊も同様にね、

新兵器がどこまでの人数に扱えるかわからないけど使う前に消し飛ばされちゃ意味ないわ、

これの一手で決めないと帝国の未来は正直言ってないと思うわ、

いざとなったら捕虜になってでも刺し違え、帝国を生存させるから」


ミュートルは黙っていた、私の発する言葉全てに反応する彼が数秒とはいえここまで沈黙するのは珍しい


「どうしたのミュートル?」


「何でもありません、総帥様が直接手を下すような状態には私が絶対させません」


「そっ兵たちの強化任せたわ、私は少しやることがあるから、まだ反発してくる悪い子がいるからおしおきしなくちゃね」



悪い笑みを浮かべる少女に頭を下げ少女の自室から出て行くミュートル


「さて内部掃除始めましょうか?」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


総師様の自室を訪れた後

私、ミュートル・ハイムは王座に来ていた、


すると目の前に白い影が現れた、

私は片膝をつく。


今は亡きペルセス様、貴方様の娘様は私が守ります

貴方様は死の間際におっしゃいました「私の娘を頼む」と

それから総帥様のお世話係として色々やってきました、

最近では私に睡眠薬を飲ませたり、地面に埋めたり、女性専用のお風呂に私を閉じ込めたりと少々悪戯が過ぎますが、

立派に成長し始めてもう私がいなくても大丈夫かもしれません、

つい先ほどお嬢様とペルセス様が重なったような気がしました、



しかし今彼女は復讐に走ろうとしています民を守るために、民の反感買わず未来へ繋げるために

優しい心を閉じ込めておられ…私はどうすればいいのでしょうか?


彼女の精神は今壁に押しつぶされそうになっている、

昔と変わって口調を変えたり、他人からはどうやって見えているのかを考えるようになり、

そして逆らうものすべてにかみつく狂犬のような、


貴方様が危機を持っていたのはこれなんですね、

父親亡き後娘が総帥としてやっていけるのかどうか、

彼女はあなたに似て優しいですからね


私は今からでも彼女に1人の少女として生きるか、それとも帝王の位置に着くか選択させる機会を与えるべきなのでしょうか?


分かりません


しかし私のような大罪人を救っていただいたご恩は一生忘れません、この剣と命に代えても

絶対にお嬢様の手を赤くは染めさせません


この命に変えても




次の瞬間白い影は消えていた、王座の間に一人の騎士だけが取り残される

立ち上がり、今後のことを未来のことを考えながら彼はその場を後にした。

様々な思いが一つの線となり時に並行し時に交差し時に絡まりあいながら変化していく、

それが鏡月worldもとい僕の小説。



帝国パート結構堅苦しい感を出さないといけないから苦手だなあ。

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