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第一話 すみません、神ですが。ちょっと世界を救ってくれませんか?

_______________これは一体どういう事だ?

開きかけた目をすぐさま閉じる。

落ち着け、まずは思い出そう。

あれは確か_______________


いただきまーす。

俺の名は秀、佐藤秀、嫁の愛奈と夕食の時間を楽しむところだ。

テーブルの上に並べられた料理の数々…と言うほど品数ば多くないのだが、一般家庭に比べて量はかなり多く、味も美味しいからついつい食べすぎてしまう。


いつものように話をしながら食事をしていると、突然いつもとは違うことが起こる。テーブルの上になにやら魔法陣のような物が浮かび上がり青白く光出した。

不思議なこともあるもんだ。と、二人とも特別気にもせず食べ続けていると今度は頭の中に直接声が響き白い人影のようなものが現れる。

これには多少驚いたが、それでもスルーしていると声の主が愚痴り始める。


俺と愛奈は目を合わせ、ため息を一つ、話を聞くことにした。

すると、少し泣き声だった声の主は嬉しそうに


『俺はデミオス、いきなりで申し訳ないんだけと』

「そう思うなら飯時に来んなや」

『え…』


ちょっと待て、気持ちは分からんでもないがいくら何でもそれは無い。


「ステイ、嫁よ」

「へい」


俺は愛奈をなだめる。デミオスとやら、続きをどうぞ。


『…ごほん。実はね、俺たちの世界が今大変な事になっていてさ…君たち二人に助けを求めに来たんだよ。まあ、君たちからしたら異世界なんだけど、そこに行ってちょっくら世界を救ってほしいんだ』


おっと、これは聞いちゃいけない話だったか、いきなり世界を救えとか無理ゲー過ぎるだろ(笑)

大体、俺たちはどこにでも居る普通の夫婦だ、二つ返事で了解、なんて出来る訳が無い。

そんな事を考えていると愛奈が口を開く。


「あんたの世界を救ってもいい。けど、私たちはただの平凡などこにでもいる何の特殊能力も無い人間だ。だから、それなりの力を与えるだけじゃ駄目だ。そんなんじゃ生き残れやしない」


『そりゃそうだよな。だからお前たちには望む力をやろう。俺は神だからな、ある程度の力ならやれるぞ』


「やったぜ。てか、あんた神だったんかい。だったら自分で何とかすればいいやん」


『それが出来ないからお前たちに頼みに来てんだけど?』


まあ、考えてみれば納得だ。わざわざこうして俺たち夫婦に頼みに来ている訳だし。しかし、なんと声の主、デミオスが神だったとは。

だってこんなフレンドリーに話しかけてくる奴が神なんて思わないじゃん?

とにかく、何でも好きな力を貰えるらしいから、ん、いま何でもって?

俺は少し考える………よし、これにしよう。多分これが一番だと思う。


「俺には、想像できる物を実現できる能力をくれ。魔法みたいなのも使ってみたいし。」


これから全く知らない所に行くわけだ。このくらいの力が無ければおそらく生き残れないだろう。

愛奈は、想像できる物なら何でも作り出す能力を、なんだか俺と似たような能力だな。食べていくのに困らないように、という事らしい。


『なるほどな、OK。あとは翻訳能力と身体能力とテレパシーも使えるようにしておいてやろう…ほい、反映させたぜ』


相変わらず軽い口調でデミオスがそう言うと俺たちの身体が光り出し、不思議な力が流れ込んでくる。これが俗に言うチート能力…やっぱりこいつは神なのか、と認めざるを得ない。


さて、と、これで向こうに行く準備ができた訳だ。

そして、俺たちの身体がだんだんと透けていく。

愛奈は少しわたわたと、慌てているが、俺はそうでも無い。まあ、なるようになるだろ、と覚悟を決める。


『巻き込んで悪かったな。俺がしてやれるのはここまでだ、後は頼んだぜ』


デミオスが少し申し訳なさそうにそう言うと、こう続ける。


『ちなみに、二人とも何処に飛ばされるか分かんねーから。マジ悪いなー』


なんだと?


神がぼそりと小声で爆弾発言をぶっ放すと俺たちの姿は完全にこの世界から消え、異世界に飛ばされた。


_______________そうしてここに飛ばされた訳だが。

俺は周りに気が付かないようにもう一度うっすらと目を開けすぐに閉じる。

やはりそうだ、俺は魔法陣の様な物の上に立っている。

飛ばされる場所がランダムとはいえこれは完全に予想外だ。

おのれデミオス、こんな所に飛ばすとは、後で絶対にチョップしてやる。


まあいい、ちゃちゃっと世界を救って英雄にでもなってやろうじゃないか。


そうして、俺の世界救済という新しい物語が始まるのだった。

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