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妹、怖い






早い、来るのが早すぎる、家からここまで電車に乗って1駅の所だけども自宅から駅まで10分かかるか、かからないかだけど、妹は学校がある。



学校から家まで20分は歩く、そして駅から更に、ここに来るまでは15分はかかる、現在時刻は13時をちょっと過ぎ頃だ。



妹の茜は学校が終わるのが12時30分の筈だから僕より先に来られる訳が無い。

ましてや着替えまで済まして……



「何アホ面してんのよ。今日行くからって私とお母さんから連絡来たでしょ? それとも、もしかして私が早く来た理由が分からないとか? 学校休んだからに決まってるでしょ? ちょっと考えれば分かるでしょ? 考える事すら出来ないの?」



僕が呆然としたままいると、そんな訳の分からない事を言い出し溜息をつき出す茜。

いやいやいやいや、決まってないよね!? 溜息つきたいの僕だよね!?



学校行ってから来るものだと思ってたのに、サボって来るとか誰も思わないじゃんね!?



「それより早く家に入らせてよ! こっちは待ち疲れてるんだよ? 分かる? これだから聡にいはダメなんだよね」



僕が無言でいると、そんな理不尽な事までいい、更にはまた溜息。

いやいやいやいや茜が幼馴染ぐらい我儘になって来た。

そんな事を考えつつ茜を取り敢えず、家に入れる事にする。



「ハイハイ、どうせダメな僕だよ。取り敢えず上がっていいよ」



「上がっていいよじゃないでしょ? 聡にい、人を待たせといて上から目線はないでしょ? 上がって下さいでしょ? 日本語も分からないの?」



くっ……妹だけど叩いていいよね。

妹なのに何でこんなに上からなんだ、我儘になりすぎでしょ! 誰に似たんだよ。



「茜さん是非上がって下さい。お願い申し上げます」



「そこまで言うとか(そう)にい引かれるよ?私が現在進行形で引いてるんだけどね。取り敢えずお邪魔しまーす」



「どうぞ」



本当に邪魔だからそのまま帰ってくれないかと言いたいが言えないこの辛さ。

どうやら泊まるらしく親からもちゃんと見る様に言われてるのだ。

そして、僕も靴を脱ぎ家に上がることにする。



「え?何で聡にいが靴を脱いで上がろうとするの? 可愛い妹待たせたんだから何か買ってきてよ。どうせ何も無いんでしょ?」



絶句とはこの事だよね。

確かにお菓子とかそんなのは買ってないから無いけどさ。



「……何が食べたいの? 後、晩御飯も」



「お菓子はスナックじゃ無かったら何でも良いけどチョコは食べたい。 晩御飯はお寿司かピザかな?」



「……他ので。一人暮らしする時の約束で基本自炊しなきゃいけないから。それにピザとか作れないし」



取り敢えず言葉を何とか出しつつ聞いてみるも、とんでもないものばかり。

誰がピザとか作るの!? 海鮮丼なら乗せるだけでいいやつ買ったら良いけどお金的には無理だよ!



「聡にい本当に我儘だね!? 聞いといてダメとか、それなら聞かないでよ! 最初から聡にいが決めたらいいじゃん! 晩御飯はもうなんでもいいよ!」



僕が我儘なの!? 誰だって作れる範囲が来ると思うじゃんね!?

何でそんなキレ気味なのとか思いつつ「分かった」とだけいい家をそのまま出ることにした。



家を出て暫く歩いた所で気がついた。

昨日ハンバーグ食べてるよ僕! ゴミだし日が月曜日の為まだハンバーグの空袋がゴミ箱に、茜がそれを見つけたら絶対母さんに言うに決まっている。



しかしゴミ箱漁る事はしないだろうとも思う自分がいる。

なんか疚しい事をしていたら不安になる時あるよね?



ハンバーグの空袋はまだ上の方にある筈だからゴミを出されたらバレるかもと思い、取り敢えず買い物を早く終わらせようと店まで走り出すことにした。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



急いで買い物を終え家に帰ると茜がニヤニヤした顔で待っていた。嫌な予感がしつつもリビングに入る。




「おかえり聡にい、それよりねハンバーグ美味しかった? 美味しいよね? 自炊するからとか言って自炊せずに食べたデミグラスハンバーグだもんね? 歯ブラシとか買ってきたからそのゴミを捨てる時にはびっくりしたなあ」



僕は茜がハンと言ったところで敢行した。

歯ブラシぐらい自分の持ってこいよ! ゴミを出すなよと言いたい所だが見られたのはしょうがない。



「どうか、黙っていて下さいお願いします」



そう言いつつ僕は即座に土下座を敢行した。

妹にまで土下座とか恥も外聞も無いが僕には元々そんなのはありはしない。



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