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妹がくる?

サンダルどこいった?!




イカサンダル!!




僕は教室を急いで出た筈なのに靴箱には、既に浅田さんが仁王立ちで待っていた。



いやいやいやリア充グループは遅くまで残って、この後どうする? とか話すんじゃないの!? なんで居ちゃうの、空気読もうよ。

それに僕の方が早く教室を出たはずなのに……



「何か言うことあるんじゃない?」



僕が呆然とそんな事を考えていると浅田さんがそんな事を言ってくる。

いくらでもあるさ! 浅田さんのせいで恥かいたとかダダ滑りだったとか。



「今日予定あるから早く帰りたいんだよね? 帰ってもいい?」



「いい根性してるわね、私を見ながら盛り込んどるとか盛り込んでないとか言っといて!! 盛り込んでなんか無いわよ! 自前よ! 盛り込みたいわよ! どうしてくれんのよ! 自分で言ってて悲しくなって来たじゃない!」



「って、言われても僕はギャグを言っただけだからさ? ね? ほら誰も悪くないよ?」



早く帰りたいと言ったのに、どんどん話が長くなりそうだと最後に思わずため息を付くと浅田さんが怒り出した。



「あの、かなり詰まらないギャグを聞かされた上にめんどくさそうに話をしてる挙句にため息!? あんた私のスカートの中を見たの忘れてんじゃないでしょうね!?」



「勿論それは覚えているよ? むしろだからこそギャグを披露したんだよ?」



体操服の短パン見ただけなのに何をさせられるか分からないからギャグを言ったのに、教室のあの空気といい、浅田さんといいなんて理不尽なんだ。



「じゃあ、付き合いなさいよ」



「ごめんね? 好きな人居るから無理なんだ。諦めてね?」



「ちっがうわよ! しかも何であんたなんかに振られなきゃいけないのよ!」



分かっていたが、やはり告白じゃないらしい。それにしても浅田さんはカルシウム不足過ぎやしないか? 大丈夫なんだろうか?



「分かっていたけどね? でも予定あるから本当に無理なんだ」



そう、これは本当である。明日から土日で学校が休みの為、今日から妹が何故か家に来ることになっている。



遊ぶ約束があるからと断っても友達居ないでしょと言われる始末……なんて正直な妹何だろう。



「あんた、スカートの中身見た事と用事どっちが大事なのよ?!」



「勿論用事だよ? 当たり前じゃないか」



「へぇ…… じゃああんたにスカート覗かれた挙句中身見られて辱めを受けたって言いふらしてやる!」



迷わず言って退けると浅田さんが冷たい声音で言い出した。

とんでもない冤罪ではあるけども。



「大変申し訳ありませんでした。 これで許して下さい。 今度でお願いします」



僕の安い土下座を披露したら浅田さんの顔が引きつっていたが構わない。



ここを長引かせては、めんどくさいことになる。今日は妹が短縮授業だったはずだから早く帰って妹の相手をしないと妹の説教が長くなってしまうのだ。



そして僕の願いが通じたのかクラスのイケメン君が現れた。

名前は……溝口? 水口? だったはずだ。



「そんな所で何してるの柏木君と浅田さん」



「別に何もして無いわよ? いきなり柏木君? が土下座しだしてビックリしてた所よ」



ええぇ!? 僕の心の中は大絶叫だ!

なかなか帰してくれそうに無かったからここまでしていたのに?!



「そうなのか? 柏木君は何故いきなり土下座するんだい?」



そう聞いてくるイケメン君に浅田さんがすごい目で睨んでくる……浅田さんの相手がめんどくさくて土下座したとか言えない。



「コンタクトを落としたんだ……正座で探したい時ない?」



結局よく分からない事を言うしか出来なかった僕が恨めしい。

浅田さんは、すごく呆れた様子で見てくるが知ったこっちゃない。



「いや、無いけど……」



イケメン君も困った顔をしながら言ってくる。

そりゃそうだよ僕も始めた正座でコンタクト探してるよ……コンタクトなんかした事がないけど。



「じゃあ私は行くわね! 水口君バイバイ」



「ああ、また明日!」



そして黙って見ていた浅田さんは、水口君と言うらしいイケメンに挨拶をして帰っていった。

水口君とその後、僕も「また」と挨拶し帰ることにした。

水口君のおかげで走って帰れば間に合いそうだ。まあ、走らなくても余裕で間に合うんだけどね。



―――――――――――――――――――――――――――――――



「おっそいよ! 短縮授業で早く終わるから早めに来るって言ったのに、どれだけ私を待たせれば気がすむの!? ばかあああああ」



帰りついた瞬間、待っていたのは妹の大絶叫だった……


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