ギャルっちさん硬い
心の中で叫びつつ、え? なんで短パンなんて履いてるの!? そこだけガードが硬いって? え? 上ゆるゆるじゃん! 下もゆるゆるにしようよ!
短パン履くなんて邪道もいいとこだよね、テンプレさん!
僕の淡い期待返してよ!
そこのガード固くなくて良いんだよ!?
僕は、毎朝そこら辺カッチカチだけどギャルっちさんは、緩くて良いんだよ! むしろ、ゆるゆる推奨だよ。
そんな事を考えながらギャルっちさん共々立ち上がり僕が教室に入ろうとするとギャルっちさんが横から喋りかけてきた。
「ねぇ、人にぶつかっといて何か無いわけ?」
え? さっき謝ったし別の言葉だろうか?
他に言うことは特にないし、何か言われたいのギャルっちさん??
「何、黙ってるのよ! 何言ってるの見たいな顔して!!」
黙ったままいた僕にそんな事を言ってくるギャルっちさん。
え? ぶつかっといてと言われても謝ったし、他には1つしか思い浮かばなかったので、それを言ってみる事にする。
「急に教室から出てきたら、こんな風に危ないから気を付けてね?」
「ちっがうわよ! ふざけんじゃないわよ! ぶつかっといてまず言うことがわかんないとか、常識ないわけ!? あとジロジロ見すぎキモい!」
「後ね! 前髪で分からないと思ってるかもしれないけど分かるわよ! それにその前髪見てるだけで邪魔! それもどうにかなんない訳!?」
危ないよって事を伝えただけで途端ギャルっちさんが怒り出した。ギャルっちさんの方が色んな意味で危険だよ!
それに、ジロジロは見てないんだけどなあ……チラチラ胸元は見てるけどさ。
僕は、呆然としたまま、それらを捲し立てるように言ってくるギャルっちさんの言葉を聞きつつ他に言うことはないか考える。
それにしてもギャルっちさんは初対面に近い人にも色々言えるすごいお方のようだ。
「えっと、じゃあパンツ見えるかもしれないから気を付けてね?」
そして、またギャルっちさんが震えだした。
寒いんだろうかと思っているとギャルっちさんが叫ぶように喋る。
「ちっがうわよ! なんでさっきから疑問形なのよ! ってまず謝るでしょ!」
ええぇ!? さっき謝ったの聞こえてなかったの!?
だからこんなに怒っているのかな? ここは早く謝っとこう。
「えと、ごめんね? 気を付けてね?」
「それでいいのよ! なんで最初から言えないのよ!まあ、私も悪かったけどさ! 取り敢えず私も謝るわ、ごめんなさい」
そして僕は、衝撃を受けた。
ギャルが謝れるだとと、見た目謝らなさそうな感じだから凄い驚きだった。
そのまま固まっているとギャルっちさんが口を開く。
「何よ? 所で私のスカートの下に履いてるの何だった? 見たんでしょ?」
「え? た、短パンでしょ?」
しまったあああと心の中で叫び頭を抱えた。
これじゃあ、しっかり見てるのがバレバレじゃないか、どうやって誤魔化す僕。どう誤魔化すんだ僕。
「やっぱり見ていたのね。 何して貰おうかな? 何してくれる?」
どう誤魔化すか必死に考えているのに、ギャルっちさんが面白いオモチャでも見つけたような顔をしながらとんでもないことを言い出した。
可愛い顔で言ってくるが……
何をすればいいんだと頭を抱えながら考える僕。
ジュースで許してくれないかな! ブランドものとか無理だよ!
むしろガード硬すぎで短パンだったんだからいいじゃないかと考えているとギャルっちさんが思いついた様に喋り出す。
「じゃあ、今日の自己紹介で面白い自己紹介でもしてもらおうかな? 面白くなかったらね?」
ね、って何なの?!「面白くなかったらね」と言われても!
無茶振りとはこの事か、更に頭を抱えてしまう。
笑顔だけど目が笑っていないし、いったい僕は何をさせられるんだ。
この1年間パシリでもさせられるんだろうか?最悪3年間という可能性も……
「まっ、期待してるから笑わせてね」
色々考えているあいだにギャルっちさんは教室から出ていった。
そして僕は席に座り頭を悩ますのだった。
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先生が教室に入って来て、そのまま自己紹介と学級委員を決める時間がやってきた。
先生、成宮世莉は見た目は小柄ながらも出ているとこは出ていてと言うよりデカすぎ?!
顔は綺麗な顔立ちをしており髪型は黒髪ボブカットだ。
ギャルっちじゃなく、先生にボタンを外してほしいと思うのは内緒だ。
そして僕は未だに頭を抱え自己紹介をどう面白くするか考えていると、隣の吉田君が何をそんなに真面目に考えているんだ。気楽にすればいいだろと言ってくれた。
気楽にできれば苦労しないよと、思いつつ自己紹介を聞きはじめた。
ギャルっちさんの名前は浅田花奈
と言うらい。
可愛らしい見た目と名前が勿体ないぐらい性格がアレなんだなと、思いつつほかの人の自己紹介も聞いた。
そして、とうとう僕の番が回ってきてしまい浅田さんがこっちを向いてニヤニヤしている。
僕は、意を決して席を立ち上がり自己紹介を始める。
「柏木聡太です。 趣味は……」