僕は無趣味無特技です。
「ふぁー、結構結構寝てたなぁ」
時刻は16時、家に帰って来てからそれなりの時間を寝ていたみたいだ。
そして思い出していた、吉田君との微妙な会話を、会話と言えるか分からないけどね!
何処の中学なのとか聞いても分からないし、興味も無いのになんで聞いたんだろうと後悔していた。
「んー、明日は自己紹介もあるし次からは、会話を続けられるようにしとかなきゃ」
そして気付いた、僕も自己紹介するんだと、無趣味無特技とは、僕のことだよ!?
会話の前に明日の自己紹介をどうすればいいんだろうと頭を抱えた。
無難に読書と言うか……しかし何を読んでるのと聞かれたら詰む未来しか見えない。
ラノベが好きなだけで、たまに読みそれを幼馴染のアイツに見られてからオタク扱いされ皆にからかわれた中学時代。
また高校でもオタク扱いされ悲惨な目に合うというのか僕!そんなミスはしない……と、いう事でゲームもなしだよ。
かと言って、オシャレと言って私服を見られた暁にはまた虚言癖と不名誉なあだ名が…
虚言癖も幼馴染に付けられたあだ名だ。
給食のデザートを幼馴染に上げると言ったものの僕の大好物のプリンが出た為上げなかったら、この虚言癖と言うあだ名がついた中学時代だ。
どうする僕……どうするんだ僕……
そこで、思い出し口に出ていた。
「僕、料理が出来るじゃないか。これなら趣味と特技を料理にすれば・・・」
得意料理は牛丼でいいとして、友達ができた時に作ってきてと言われたらどうしよう……朝から牛丼とか作りたくないよ。
そう考えるも言わないだろうと思い直した。男の手料理の需要が無いし、食べたくないだろうと考え、自己紹介の事は考えるのをやめにする。
何だかんだ時間が過ぎていたみたいで、時刻17時過ぎていた。夕食の事を考えるがスーパーかコンビニか……
「コンビニ弁当お皿に移そう、多分ごまかせるだろう。簡単なやつなら」
そう決めてから歩いて10分ぐらいの所にあるコンビニに行くことにした。
コンビニに着くとそこには、吉田くんが居た。
電話しているようだね。電話が終わるのを見て学校でのリベンジを兼ねて名前を呼んでみることにする。
「吉田君?」
そこで僕に気付いた吉田君が振り向いてくる。
何やら困ったような顔になっている。
「あぁ、えぇっと……樫の木君だっけ?」
誰だよおおおおおと、叫びたくなったが堪える僕。偉いよ!
名前教えたばっかで忘れられるとか、それで困った顔なのかな、まぁ、困るよね数時間前に自己紹介したんだから……
まあ、初対面で自己紹介と言うのも微妙な感じだったし、あれは無かったことにして今から新たに自己紹介しようと決意する僕。
「違うよ、柏木だよ? 樫の木じゃないよ似てるけど柏餅のかしわに木のみの木だよ」
「あはは、ごめんごめんあの時は名前覚える気がなかったからさ。今度は覚えた、柏餅君ね、それよりなにしてんの?」
改めて自己紹介した僕に吉田君が笑いながら謝りつつそんな事を聞いてきた。
え? その前に、え? 名前覚える気がなかったってどうゆう事なの?
柏餅って柏木ですらないよ?! 未だに覚える気ないのかな?
それに僕がここに居るのはコンビニに用があるからじゃんコンビニに用がないのに来ないよね?!
それより名前覚える気がないって方が気になるよ!
「柏餅じゃないよ! 柏木だよ! 柏餅好きだけど。 ここに来たのは夕食作る気力無くてお弁当にしようと思ったからだよ。そう言う吉野くんはどうしたの?」
「あぁ、俺は何でもねぇよ。それより連絡先交換しないか? ここであったのも何かの縁があるかもしれねえだろ?」
ちょっとした仕返しに名前を間違えて見たけど吉田くんは気にした様子もなく話を続ける。
「そうだね! 良いよ」
そう答え吉田君と僕は連絡先を交換した。何かの縁とは言っていたけど変な意味じゃないよね?!
そんなはずはないと自分に言い聞かせる!
僕は女の子が好きなんだ吉田君ごめんねと、意味もなく心の中で謝ってみる。
連絡先を交換が終わったら吉田君は帰って行った。
僕はそのままコンビニに入りお弁当を買うためお弁当コーナーに向かった。
んーお弁当何にしようか……唐揚げ弁当とか絶対に作ってないのバレそうと言うか、作らないし油の処理がめんどくさいんだよね。
そうなると揚げ物はなしだよね……
色々と考えながら他にも見たが、作らないような物が入ったお弁当が殆どだったから、結局はサラダとおかずのみのハンバーグを買って帰ることにした。