ダメ!非常識!
「ふぁい、ふぉしもし。誰ですか?」
草木も眠る丑三つ時に僕は、電話で飛び起こされた。
「あんた何寝てんのよ! 直ぐに出なさいよ! 何回電話したと思ってるの!? この大事な時に!」
「ふぇ? ほうしたの? 大事?」
こんな時間に電話してくる非常識な人は誰だろうと思ったけど聞くまでもなく浅田さんだったね。
「あんたいつまで寝ぼけてるのよ! 今度、水口君を買い物に誘わないといけないでしょ! あんたが誘いなさい!」
「ふぇ!? 意味が分からないよ!? 何で僕が誘わなきゃいけないの!? 浅田さんが自分で誘えばいいだけだよ!?」
何で僕は、関係無いのに水口君を買い物に誘う為にこんな時間に電話をかけられなきゃいけないの!?
迷惑だよ!? 普通に誘えばいいだけなのに!
「はあ!? 誘えるなら誘ってるわよ! 緊張して誘えないのが分かってるから言ってるんでしょ! 絶対に誘いなさいよ!?」
「やだよ…友達に頼んだらいいと思うよ? 僕は、もう眠いから切るよ?」
もう、早く寝かせて欲しいから言ったよ!
凄くない! 僕だって成長するんだ!
「あんたにあるのは私に従う権利だけなの忘れてない? あんたには拒否権なんて立派な物は、無いのよ?」
「そ、それは今日ので無くなったでしょ!? ちゃんと帰りも誘ったよ!?」
そうだよね!? 何でも言う事聞きますで立派に役目果たしたんだからもう解放されてもいいはずだよね僕!
「あんたが私の言う事を聞くのが1回で思ってる訳!? 乙女の大事なもの見といて!」
「み、見たけど…謝ったしもう良いでしょ…」
「ダイビング土下座もジャンピング土下座もしないで許されると思ってる、あんたを疑うわね」
普通の土下座で許されないとか誰が思うんだろうね。
はあ、高校生活ずっと言われ続けたりしないよね? 僕の高校生活って詰んでたりするの?
「それは流石に…もう、分かったよ! 誘えばいいんでしょ!」
「分かればいいのよ! 分かるのが遅すぎて困るけどね? 土日のどっちかで誘うのよ? 遠足の班が金曜日に決まるから遠足用の買い物にって事で!」
「わかったよ」
はあ、結局僕はこうなるんだね。
もっとまじまじと見とけばよかったかな…もっと酷い目にあってたかな?
浅田さんは「明日は絶対よ!」と言ってから電話を切った。
こんな夜中に何事かと思ったにまさか買い物に誘うだけとかね…はあ
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あれから、また寝て朝はちゃんと起きられた僕は凄くない!?
だいぶ眠たいけど文句も言えない僕だからしょうがない!
そう言えば買い物って僕も行くのかな?
丁度いいから僕も何か買おうかな?
時間も7時30分すぎてるしメール大丈夫だよね?
「「買い物って僕もいくの? そしてどこに行くの? 待ち合わせとか」」
「「待ち合わせ場所は駅でいいわ。 時間はお昼ご飯一緒に食べたいからお昼前ね。そして何であんたが来るのよ。邪魔よ! 買い物場所は水口君と2人でその日に決めるからあんたは、知らなくていい」」
浅田さんからの返信は早かった。浅田さんっていつ寝てるのかな?
あんな時間まで起きといてこの時間に起きてるとか凄すぎない?
え?え?2度見しちゃったよ僕は!
僕が水口君誘うんだよね!? その僕いけないの!?
「「でも、僕が誘うんだよね?」」
「「そうよ? あんたは誘うだけに決まってるじゃない! あんた来る気だったの!? 普通空気読んで来ないでしょ!? そんな事もわからない訳!?」」
分かるわけ無いよね!? まさか誘った本人が来ないとか水口君も思わないよね? え?本当に思わないよね…
「「あんたは、急に来られなくなったの! いいわね? 」」
「「わかりました」」
それだけ返信してスマホをポケットにしまった。さて学校に行きますか。
はあ、買い物は1人で行くことにならないかあ
土日だもんね、茜が来そうで怖いや…




