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1-1 あがり症女子の転生

見に来ていただきありがとうございます。


初投稿です。

まだよくわからないので、後から変更したりいろいろするかと思います。

頑張って最後まで書いてみたいです。

よろしくお願いいたします。



5/7『目立ちたくない!!秘密の花園の美少女戦隊』から改題しました。

題名に追加した後半の~捨てられたライバル・・・~はの部分は二章の内容からとってます。

令和になりましたね、改めてよろしくお願いいたしますm(._.)m

「貴女の落としたのは金の斧でしょうか、銀の斧でしょうか、それとも鉄の斧でしょうか?」


おとぎ話の泉の精のように、どれが貴女の答えですか?試すように黒く美しい男性は微笑んだ。まず、出会ったことがないような、ハーフっぽい黒髪の美形だ。


「お嬢さん呼び出しありがとう、貴女の望み通り誰も知らないところに連れて行ってあげましょう」


新手のナンパで売り飛ばされる気もしたが、黒髪の男性は中空に浮いている。一応悪魔を呼び出した気もするが、ちょっとやけ酒入ってたせいか、炊いているお香の煙で視界が白っぽいせいか現実味がない。


売り飛ばされるなら天国か、まぁ多分夢なんだろう。まぁ今ならサービス中、好きな姿を選ばせてあげましょうと、中空に浮かぶ立体映像のような、3つの選択肢を目の前に見せてくれた。それは楕円形に浮かぶすりガラスに、スライドのように投射されているようにも見えた。



一つは白銀の鎧に燃えるような赤毛の女性騎士、戦場で血まみれの剣を振り上げている。


一つは天使のような金髪の乙女が、山地の花畑に立ち動物たちに微笑んでいる。


一つは栗色の髪をした娘が、華やかな宮殿のようなところで壁の花になっている姿だった。



どれも日本とは違う中世ヨーロッパ的な異世界に見える。美しく勇敢な紅の娘や、神様や動物に愛されるような金の娘、新しい人生を選ぶなら、自分と全く違う彼女たちのようになれれば、物語のヒロインようでさぞかし楽しいのだろう。だけど、人の前に出れば上がり、知らない人に話しかけるのも一苦労の自分には、人を従え戦場で華々しく戦うのは、戦いそのものより苦痛に感じた。そもそも日本生まれの自分に、剣を持ち人を傷つけることに抵抗があり、かつ実感がわかなかった。


人が怖い、だからと言って半端に首都圏に住んでいるだけに、田舎すぎるところで、動物の世話をしているのも、楽しいように感じられなかった。臭いのも嫌だし、畜産農家の早起きもしたくない。動物園をたまに見るくらいならいいのだが。


何より人がたくさん居るなかでの壁の花。都会にいるのに孤独な自分と重なり目が離せなかった。


やっぱり、自分は自分。新しい自分になろうとしても、ある意味変われないのかも。そう自嘲しながらも眺めていた。だが、今と変わらないのは寂しすぎるので、これは絶対嫌だなと思ったその時景色が変わった。



3つの娘は静止画ではなかったが、急にそれぞれ場面が変わったのだ。


赤い髪の娘は勝ったのだろうか、殺伐とした戦場で夕陽をうけつつ、鎧と筋肉のごつい仲間にもみくちゃにされて笑っている。


金色の髪の娘は、牛に似た動物に突撃されふっとんだ。スカーフを地にたたきつけ何か怒鳴りながら山を下っていく。「やってらんない、こんなとこ出て行ってやる」と言葉が聞こえた気がした。


栗色の壁の花には誰かが話しかけていた。娘は戸惑いつつも幸せそうに笑って手を差し出す。娘はホールの真ん中に滑り出し、誰かと優雅に踊り始めた。


人が怖い自分でも、変われるのだろうか?こんな私も誰かに求められ、幸せに笑えるのだろうか?自分に良く似ていて非なる栗色の髪の娘、気づくとその彼女を指差していた。どこかで夢だと思っているせいか、気軽な決断。


「決まりましたね。ただ願いを叶えるには代償が必要となります、それは・・・・」


相手は悪魔だというのを忘れてた。物買わせてから高額請求してくる詐欺業者のような話運び、美しい黒い微笑みはゆっくり霞み最後の言葉は虚空に消えていく。


「聞こえない、代償は何って言ったの?」


と問いかけるが、言葉が重くて音声が出ない。胸も苦しくて気持ちが悪い。もっと、ちゃんと近づいてみたくて、追いかけていると不意に目が開き見慣れた天井が見えた。


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