フラウ①
よろしくお願いいたします
僕は働きも学校にもいかず。ただ毎日をこのミリオン村でぶらぶらしていた。
姉貴が死んでから、何もヤル気がおきなくなった。
ジャイカ『お、弱虫のミロじゃないか』
ミロ『ジャイカ、君はいいよね。働き口もあるし。聞いたよ、隣村のリナリと結婚するんだって?おめでとう』
ジャイカは眉間にシワを寄せこちらに向かってきた。
ジャイカ『お前らしくない。姉貴が死んでから本物のボンクラに成り果てたか。ふざけるな!悔しくないのかよ』
ミロ『兎に角、結婚おめでとう』
ミロはスラムにいつの間にか、行き着いていた。靴磨きの少年。未成年が身体を売りながら小銭をかせぐ。
女の子が近づいてきた。
かわいい顔に綺麗な白い服を着ている。
なるほど、こんな女の子なら金を出してヤりたくなる気持ちはわからなくもない。
僕は金を持っていない。優しさや強さも何処かに捨ててきた。
ミロ『君は何が欲しいの?』
フラウ『勘違いするなよ。私は売春婦じゃない。このスラムには悪魔退治に来たんだよ』
悪魔退治、一瞬、耳を疑った。この近代化の御時世にまさかそんなオカルトな。
ミロはフラウから離れようとした。これ以上、訳のわからない世迷言を聞いている暇はない。
フラウ『私はフラウ・ファウスト。悪魔メフィストと契約を交わした、偉大なる魔術師だ!』
ミロ『麻薬のヤりすぎ?まさかマリファナとか売り捌いてないよね。フラウ、君はかわいいんだからそんな悪魔信仰はやめたら?』
周りの子供が騒ぎ始めた。どうやら男が急に暴れ始めたらしい。
男は子供たちを次々と引き裂いて行く。
ミロ『嘘だろ?まるで紙を千切るみたいに肉を引き裂いている・・・!!!まるで化けものじゃないか・・・!!』
フラウは男の前に立ち塞がる。
フラウは男に殴られた。鈍く痛々しい音がする。
止めろよ。なにやってんだよ・・・!!
あんな化けものにかなうわけ無いだろ。
冷静に考えたらわかるだろ。逃げるんだよフラウ、頼むから警察や保安官に任せようよ。
フラウは男に何発も激しく殴られた。
倒れこみながらけして諦めない、その瞳を見てミロは男に向かって石を投げた。
男『人間が・・・悪魔に逆らうのか』
ひいい!!!やっぱり怖い!怖すぎる。
フラウは暖かな顔をしている。
フラウ『私はフラウ・ファウスト。不死身なのだよ。お前は助ける必要はなかったのだぞ』
ありがとうございます