第4話 偽物の王
第5話が楽しみである!
たくさん読まれるといいな。
お城に着くとどでかい門が大きな音を立てながら開けられ、馬車に乗ったまま奥の入り口まで連れていかれた。
因みにお城の中はお姫様の趣味なのかはわからないが、植えられている木などが可愛らしい動物の形に切られていたり、花の色使いでお洒落な模様が描かれている。そんな可愛いらしい庭をなかなかのセンスだなと思いながら眺めていた。
その他には中々に強そうな警備の人やら、庭の手入れをしている方が馬車に向かって一礼しているのを見て、社畜は本当に大変だなと俺はにこやかにせいぜい頑張れよという思いを込めながら、手を振ってやった。
別に俺が偉い人間というわけではないが、というかゴミクズニートなのだが、目の前にお姫様と直属の騎士がいると少し勘違いしてしまうのだ。
まぁーたまにはこんな日があっても良いだろう、なんていったってこの目の前の青髪騎士に風穴を開けられたのだ。 それくらいしても何も言われないだろうし、予言の勇者様なのだからこの態度は当然と言えば当然だ。
そしてお城の入り口に着くと、青髪騎士が馬車のドアを開け降りると、手を差し出して言った。
「リリア様、お手をお取りください」
「カインは相変わらず過保護ね…….」
そう言いながらもいつもそうしてるかのように、彼女は青髪騎士カインの手を取り、ゆっくり馬車を降りた。 その後に続き俺も馬車から飛び降りようとしたが、カインが再び手を差し出した。
「アリエル様もどうぞ」
「お……っ私は大丈夫よ」
そう言ったのにもかかわらず、青髪騎士カインは手を差し出したままだったので、俺は仕方なく男の手を握って降りたのだった。
どうせなら可愛いメイドが良かったなと思いながら、少し心の中でガッカリしている。
それと一つ青髪騎士カインに言ってやりたいことがある。紳士な事はいい事ではあるが、実際あまり紳士的すぎるとちょっとわざとなんじゃない?気持ち悪いよ?と口に出して言いたくなってしまう。実際には言う気はなく心の中でしか言えなが……というよりも俺は言った後が怖くて言えなかった。
今は容姿が幼姿なので怒られないかもしれないが、それでもこの青髪騎士カインにそんな事を言う度胸と強さは持ち合わせていなかった。
そして降りると青髪騎士カインが先頭を歩き、その後ろを俺とリリア姫で並びながら歩いていた。
歩きながら俺はチラチラとお姫様の横顔を見ていると、それに気づいたリリア姫は少し口角を上げて、こちらを向いて話しかけてきた。
「そんなに緊張しなくていいわよ、ほら、顔が強張っているわよ!」
リリア姫に言われるまで気づかなかったが、どうやら俺はこの慣れない空間に酷く緊張していたらしい。
まぁー相手が一国のお姫様なのだから当然なのだろうけど、かなり緊張していたようだ。
顔がまだ少し引きつっているのが、鏡を見なくてもわかる。
そしてそんな緊張しまくりな俺に、リリア姫はは突然「わっ!」と叫んで、顔を近づけながらニコニコしている。
宝石のように輝く大きなブルーの瞳に、セミロングの金髪からフローラルな香りが、フワッと香り一瞬くらっと、ドキッと不覚にも来てしまった。
そして勿論突然驚かされた俺は、大きな声で「ひゃ!」っと可愛らしい声を出し、こいつめ〜と思いながらも、俺の表情は強張ったものから、イタズラされたことにより笑顔になっているようだった。
「どう?少しは緊張ほぐれたかしら?」
楽しげに笑いながら言うリリア姫は目の保養になるなと思いながら、俺は驚かされたことに対して少しむくれながらも、笑いながら言う。
「てっ!……もぉー!びっくりするじゃないですか」
「むくれちゃって可愛いわね、でもそうやってずっとむくれてるそんな子には〜こうしてやる!えい♡」
そう言いながらリリア姫は背後から俺の脇腹や脇を楽しそうに擽り始め、俺はそれに我慢できず城内に響き渡る程大声で笑ってしまい、青髪騎士カインもその光景を微笑ましく見ながら言った。
「ようやくアリエル様の緊張もほぐれたようですね、それでは入りましょうか、王の間に」
「ギィーー」っという扉が開く音と共に、とても立派な部屋が姿を現した。 白と黒の大理石のような床に、部屋の真ん中には赤い絨毯が引かれている。 まるで漫画やアニメなどで見るような部屋の作りに、俺は感動を隠せなかったらしく、紫色の瞳をキラキラと輝かせていた。
そしてその絨毯の上を進んでいくと、10段ほどの階段が現れその上に、シートは赤色で、肘掛けや脚の部分は金で出来ている立派な椅子の上に、優しい顔をしたスキンヘッドクソジジイが脚を組み、両腕は肘掛けにしっかりと置いて、なんとも態度がでかいクソジジイの王様だなと思いながら見ていると、青髪騎士カインは目の前にいる王様のような奴の事を睨みながら、剣を抜き言った。
「王を何処へやった?返答次第では命は無いぞ」
スキンヘッドクソジジイは下卑た笑みで言う。
「ウヒヒ、ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャッ! 何処へやった? 目の前にいんだろーが!」
「聞いた僕がバカだった、拷問して聞き出してやる」
そんな緊急事態を見ながら俺は、ずっと城から逃げるタイミングをはかろうとしていた。
どんなにクズだと罵られようと、命以上に自分以上に大事な物は無いのだから当然と言えば当然である。
そして青髪騎士カインの青い剣と、王の姿をしたスキンヘッドクソジジイの拳がぶつかり合い、死合と呼ぶべき決死のバトルが始まったのだった。
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4話目だからそろそろされないかなー。