表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/780

89 予想外の連続

「着いたっすよ、ここが私の家っす!」


 連れてこられたのは、高層マンションの最上階。

 いや~眺めがいいねぇ‥‥いやいやそんなことじゃなくて!


「ロビー通ったときから少しおかしいなとは思ってたんだけど‥‥ここに住んでいるの!?」


 完全にお金持ちが住むような感じっていうか、こんなところにそもそもこんな高層マンション建ってたっけ!?


「そうっすよ」


「凄いわね。 ご両親はご在宅なの?」


「え? 何言ってるんっすか由南ゆなちゃん、冗談きついっすよ。 住んでないっすよ、独り暮らしっす」


 はぁ!?

 いやいや、つぼみさんの方が冗談きついっていうか、本当に!?

 まさかの中学で独り暮らし‥‥。


「いや、お金とかどうしてるのよ」


「親から離れるため、自分頑張ったっす! もちろん金銭面も。 あ、でも別に勝手に家を出たとかじゃないっすよ? ちゃんと許可はもらってるっす」


 いやもう完全におかしいよ!

 さっきから驚くことしかしていないけど、なんだかそれを納得してしまっている自分もいたりする。

 驚きつつも私達はつぼみさんの家に足を踏み入れた。




 ◇◆◇◆◇◆




「広いね」


「うん、広いわね」


 リビングに案内された私達はその広さに圧倒されていた。

 その前の廊下にもたくさんのドアがあり、たぶん部屋がいくつもあるはずなのに、この広さ。

 これ何㎡あるのかな?


「でも、独り暮らしなら友達とか普通に呼んだりできるんじゃないの?」


 別に親とかそういう問題はないわけだしね。


「まぁできたとは思うっすけど、時間とかの問題で、特に友達と遊ぶとこをあまりしなかったっすから。 今は時間がようやくできたって感じっす」


「へぇ、忙しかったってことね」


 中学生のはずなんだけど、今のつぼみさんはなんだか大人に見える。

 というか、何してるのかすごく気になるんだが。


つぼみさん、一体何者なんだ‥‥」


「ただの中学生っすよ。 それで、飲み物何にするっすか? 紅茶? コーヒー?」


 なんだか、そういう飲み物で、もてなされると余計に大人に見えるっていうかなんというか。

 いや別に見た目は小さいままなんだけど。


 まぁここはコーヒーが苦手な私は紅茶を選択するしかないわけで。


「紅茶で!」


 あと砂糖が欲しいです!

 と言うのはなんだか少し恥ずかしいので、見栄をはって言いません。


「コーヒーをもらうわ。 別に種類はなんでも飲めるけど、砂糖とかはつけなくて大丈夫よ」


 由南ゆなちゃん甘いもの苦手だもんね。


「了解っす。 あ、紅茶はダージリンしかないっすけどいいっすか?」


「うん、大丈夫だよ」


 大丈夫、私の舌は紅茶の種類なんてわからないから。

 そもそも飲んだことがあるかも疑問なところだ。


「じゃあちょっと行ってくるっす~」


 こうしてつぼみさんはキッチンの方に向かっていった。




 ◇◆◇◆◇◆




 リビングにて、三人でお喋りをして、少し時間が経った頃、私はとあることが気になっていた。


「ねぇねぇ、つぼみさん」


「どうしたっすか奈留なるちゃん?」


「あの頑丈そうな扉の先には何があるの?」


 そう、私が気になっていたのは、リビングの壁に他の扉とは明らかに作りや素材が違う、頑丈そうな扉があったからだ。


「あ~そこは作業場っすね。 何かを考えたり作ったり、プログラミングしたり、色々してるっす。 中入って見るっすか?」


 家の中にあるってどうなんだそれ‥‥。

 いや、そんなことより!


「え、入れるの!?」


「いいっすよ~」


「凄くあっさりしてるわね‥‥」


 いやでもこんなチャンスほとんどないだろうし、ここはね。


「よし、行こー!」


「じゃあその前に‥‥一緒にお風呂に入るっすよ」


 ‥‥‥‥へ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ