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84 懐かしく‥‥

途中から蕾さん視点になります。

「その子と会わなくなった理由って何なんですか?」


「その子が突然公園に来なくなっちゃってさ。 二週間ぐらいはずっと待ってたんだけど来なかったんだよね」


「連絡とかは?」


「いや、その時思ったんだけど、俺その子の名字とか家とか学年とか知らなかったんだよ、だから何が原因なのかもわかんなくてさ」


 それで会わなくなったのかぁ。


「その理由だけでも知りたいですね」


「そうだね。 まぁもう会えないだろうけどね」


 いやいや、その子にこれから会いに行くんですよ!

 言わないけど。


 でもそうかぁ、二週間も‥‥。


「あれ? そういえばなんで二週間で待つの止めちゃったんですか?」


「確か、その頃ようやくりくが俺と遊ぶ時間を作ってくれるようになってさ。 その時に買ったソフトでサッカーのゲームをずっと二人でやってたんだよ♪」


 お前ら仲良すぎるだろ。

 いやこういってしまうと私に言っている気がしてしまうな。


 でもそうか、家で遊ぶようになったらどこ探してもいるわけないよね。

 兄さん達ってお互いの家で遊ぶこと多かったし。


「はぁ、そうですか」


 もうため息しか出ませんね。


「あれ? 今なんか呆れられるようなこと言った!?」


「早く行きましょう」


「無視!?」


 よし、公園に急ごう!




 ◇◆◇◆◇◆




 公園に着いた私は、少し嘘をついて広葉こうようを公園に一人にした。

 そして、私は物陰に隠れて、しんくんに電話をかける。


「言われた通りにできたよ?」


『うん、了解。 こっちも言い訳して先につぼみさんに公園に行くようにお願いしたからもうそろそろだよ。 じゃあ僕も奈留なるさんのところに行くよ』


 しばらくすると、私のもとにしんくんがきた。

 一応物陰の位置から広葉こうようは確認できるので私達はここで見守ることにした。


「あとは偶然二人が出会うってことでいいのかな?」


「そうだね。 やっぱり再会に部外者はいちゃダメだと思うからね」


「それで、こんなことを? でも失敗しないか不安だなぁ」


 そんなことを考えていると公園の入り口から、つぼみさんの姿が。

 そういえば小乃羽このはちゃんの時もこんな感じだったな。


「きっと大丈夫だよ」


 私は根拠はないがなんだか成功するような気がした。




 ◇◆◇◆◇◆




 磨北まきたくんに誘われ公園に来たわけだけど、少し待っていればいいのかな?

 奈留なるちゃんも来るって磨北まきたくんは言っていたけど‥‥。


 それにしてもこの公園に来るのは久しぶりだなぁ。

 良いことも悪いことも全部の思い出がつまった公園だもんね。


 ここでいつも公園にいる、ひーくんと遊んでいたんだよなぁ。

 そうそう、ひーくんはいつもあのベンチに座ってい──!?


「ひーくん!?」


 いや、人が座っているからって、ひーくんに見間違うなんて、私やっぱり疲れてるのかな。

 でも‥‥なんだか懐かしい。


 私はなんとなくそのベンチに座っている人に向かって歩いた。

 違う人だとしても、何だか似たような雰囲気の人の顔を少し見たくなったのかもしれない。

 あの頃を懐かしむように。


 少しずつ、少しずつ私はベンチに近づいて行く。


 段々と座っている人の顔が見えるようになったことで、私の歩く速さが少しずつ速くなる。

 いや、違う、あの人が偶然、今日ここにいるはずなんてない。

 いや‥‥でも、まさか‥‥そんなことって!


 私はいつの間にか座っていた人の目の前まで来ていた。

 その時には座っていた人の顔もはっきりと見えた。

 いつの間にか自分でも無意識に走っていたようで、少し息を切らしていた。


 あぁ、やっぱり‥‥。


「やっと‥‥会えた」

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