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83 初心にかえって

「本当に偶然という謎の恐怖を感じたね。 まさに姿の見えない敵と戦っているようだよ。 なんだかワクワクしてくるね!」


「ちょっとやけになってない? いやまぁその話を信じるとして、確かにおかしな現象だね。 まぁ本当にただの偶然で、次は会えるかもしれないけど」


 いや~おかしな現象だよね~。

 でもただの偶然ってことでいいんだよね?


 現実に不思議な力が働いている、とか普通にあり得ないもんね!

 いやそんなこと言ったら自分の存在、全否定しているわけだけど。

 えぇ、あり得ない固まりですから、私。


「でももうつぼみさんに言ってから一週間過ぎてるし、次こそは会わせたいってところなんだけど」


「確実なアイデアが浮かばないと?」


「‥‥うん」


 またつぼみさんを待たせておいて、もし失敗したらと考えると‥‥ダメだ、考えたくもない。


 今度こそ成功させたいところなんだよ。


「じゃあ初心にかえって、特になにも用意なく、会わせてみよう」


「え? でも‥‥」


 それじゃあ変わらないんじゃないかな。


「僕がつぼみさんを特になにも伝えずに呼ぶからさ、そこに森田もりたさんも連れてきてよ。 もちろん、なにも伝えずにね」


 え、いけるの?


「それで、変わるの?」


「まぁ試してみるだけだよ。 無理だったらまた考えればいいしね」


 一つずつ可能性を減らしていく作戦なのかな?

 まぁいいや、私は広葉こうようを連れていけばいいんだよね。




 ◇◆◇◆◇◆




 集まる場所は、家の近くにある公園。


 中学校には広葉こうようもう入れないしね。

 だからといって高校に入れるわけでもないので、公園集合になった。


 放課後、私は連絡をとり、広葉こうようが予定がないとこを確認した。


「今日、予定あります?」


『何もないよ。 まぁ今日もりくと遊ぼうかなぁ』


 いつも通りで特になにもないらしい。

 あとは少し来てほしいと誘ってっと。


 直後に隣にいるしんくんが携帯でつぼみさんの予定も確認していた。


「気分転換に遊ぼうと思って。 どうかな?」


『特に予定はないですし、いいっすよ』


 お、二人とも今のところは大丈夫みたい。

 いや、これで安心できないのがこの二人なんだけど‥‥。




 ◇◆◇◆◇◆




奈留なるちゃんが公園に行こうなんて誘ってくるなんて珍しいね。 初心にかえって遊びたいっていうのもだけど」


 私は放課後、広葉こうようを連れて公園に向かっていた。

 まぁ確かに今世になってから広葉こうようと公園で遊んだ記憶はないし、それに遊ぶとしても兄さんが一緒だったし。


 それと初心にかえりたいって言ったのは他に行く理由が思い付かなかったから。

 いやー待ってる人がいるっていうのも言えないしこう言うしかないよね。


「そうですか? まぁあまり二人で遊んだことはないですもんね」


りくと一緒にが多かったからか。 それで今から行く公園って近所の公園だよね?」


「そうですよ」


「俺も昔はよくあの公園で遊んでたんだけどなぁ。 小学校のときとかりくと遊んだりさ。 まぁゲームが壊れて家にいてもつまらなかったからだけど」


 いつも遊びに行ってましたもんね。

 兄さんもゲーム凄いしてたみたいだから、壊れたことは私にも伝わっていた。

 なにもすることないから公園で遊んでたってことですか。


「本当に昔から仲が良いですよね」


「あ、でも今思い出したけど、一回、りくがサッカーを始めたことで俺と遊んでくれないときがあってさ」


 小学校の時の兄さん、サッカーめちゃめちゃしてましたもんね。


「その時は一人で遊んでたんですか?」


「いや、その時にひーくんって呼んでくれる女の子と遊んでたんだよね。 全然名前とかは覚えてないけど」


 それってつぼみさんのことかな?

 そういえば今思ったらなんで、会わなくなったんだろう?


「その子と会わなくなった理由って何なんですか?」

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