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78 猫だぁ?

 兄さんが猫を抱えている‥‥え? ぬいぐるみじゃないよね?

 うん、それにしては本物っぽいし、さっき鳴いてたしね。


「どうしたんですか? その猫!」


 まさか拾ってきたとかですかね。

 なんか猫拾ってきそうですよね兄さんのイメージですが。

 いや、可愛いからいいんですけど、餌とかそんなのありませんよ?


「預かってほしいって言われたんだよ。 広葉こうように」


 広葉こうよう


「あれ? 森田もりたさんって猫飼ってましたっけ?」


 今世でも前世でも広葉こうようの家には何度も行っているが、猫なんていなかったはずだが‥‥。

 最近飼い出したのかな?


「いや、昔飼ってたらしいんだが、その少しあと、広葉こうようの父親が猫アレルギーであることが発覚してな」


 それは災難というかなんというか、飼ってからわかるなんて辛いだろうなぁ。

 じゃあこの猫その間どうなったんだろう。


「じゃあそのあとは?」


「祖父母の家に預けて飼ってもらっていたらしい。 俺もそれを最近聞いたんだが、広葉こうようはたまに祖父母の家にいって、猫と会ってるそうだぞ。 一件落着だな」


「いや、現状は全く解決されてないけど?」


 広葉こうようの祖父母の家に預けたのはわかった。

 うん、良かったなと私も思う。

 だけどだ! なぜ今その猫さんが家にいるのかが問題なのだ。


 ‥‥本当にこの可愛さは問題だ。

 見ているだけで可愛いではないか!

 あ~なで回したい‥‥いやいやそうじゃなくて。


「いやな、その広葉こうようの祖父母が親戚と一緒に海外に旅行に行くらしくてな」


「元気なんだね、そのお二方は」


 いや、元気じゃないと出来ないっていうか凄いな!


「二人とも八十七歳だそうだよ」


「いや~そんなことが‥‥あ、そうか!」


 預けていた祖父母がいなくなる。

 猫の世話は広葉こうようの家では出来ない。

 それでうちか!


「まぁそれで広葉こうようの家では無理だから、俺達にお願いされたわけだ。 まぁこういうときは助け合いの精神ってやつだ。 あとで人件費やらなにやら、がっぽりいただくつもりだ」


 いやそれ助け合いの精神じゃないですから!

 いけない企業の精神ですから!


「いけませんよ! こんな可愛い猫ちゃんを預かるんですから。 癒しをもらうだけで十分です。 お金なんてダメですよ!」


「あはは、冗談だよ。 まぁでも餌とか必要なものは広葉こうようから貸してもらっているから基本的には大丈夫だ」


 はぁ、でも本当に猫ちゃん可愛いなぁ。

 少しの間だけでも嬉しいなぁ。


 こんなに可愛いなら、私も飼ってみたいなぁ。


「それなら、まぁ私は何も言うことないよ。 でも兄さんもきちんと世話してくださいね」


「預かるのを許可したのは俺だ。 まぁ出来ることがあるならするよ」


 兄さんも猫好きなんだね。

 あ、ほぼ同じ人間なんだから当たり前か!


 猫は兄さんの腕の中でゆったりしている。


「それにしても人になれてるね、この猫」


「まぁ長くいるとこうなるんじゃないのか? 正直、暴れるような猫なら大変だろうが、この猫なら世話も楽だろうな」


「ニャー?」


 可愛すぎるだろこの猫ちゃん!

 その後、夜中ずっと兄さんといっしょに猫を可愛がった。


 そういえば最近猫の話を聞いたような‥‥ま、いっか。

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