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75 協力しよう

 怪我したところに水風船を投げてきた少年、それ好きになるのか?

 まぁもしかしたらその後に何か切っ掛けがあるのかもしれないし。


「え、それで好きになったの?」


「いやいや、こんなことで、好きになるなんておかしいっすよ。 切っ掛けはそのあと助けてもらったからっすよ。 その後、一緒に遊ぶ内に好きになったっす、まぁその辺は追々言うっすよ」


 あ、普通だ。

 でも助けてもらったってなんだろう。

 聞こうと思ったのだが、つぼみさんが追々と言うので、今日は聞くのをやめた。


「でもやっぱりそれだけじゃわからないかなぁ」


「確かその人、猫飼ってるって、昔聞いたことあるっす。あと私は当時、彼のことをひーくんって呼んでたっす」


 それが見つける手がかりと言うわけだね。

 う~ん、なんか推理をする探偵みたいだね。


「でもその情報だけだと難しいね。 つぼみさんが、確認してわかったらいいんだけど」


 姿を見てもわからなかったら仕方ないもんね。


「きっとわかるっすよ。 あ、でもそんながっつり探してほしいわけじゃなくて、暇なときにちょこっとだけでいいっすから」


「うん、わかった。 でも今度の休みに少し一緒にこの辺りを回ってみようよ。 案外探せばすぐ見つかるかもしれないし」


 話を聞いたんだし、それぐらいはしないとね。


「そこまでしてくれるんっすか! ありがとっす!」


 つぼみさんはすごい勢いで感謝していた。

 そんなにつぼみさんが思う相手っていったい誰なんだろう。




 ◇◆◇◆◇◆




「本返しに行っただけでなんでそんな面倒なことになってんのよ」


 あれ? 由南ゆなちゃん怒ってらっしゃる?


「でもでも、つぼみさん本当に真剣だったし」


 きっと本当に探しても見つからないから頼ってきてくれたんだと思うんだよね。


「どれだけお人好しなのよ、奈留なるは。 まぁ奈留なるが決めたことならこれ以上何か言うつもりはないけど」


 由南ゆなちゃんなら私を理解してくれるって信じてたよ!


「じゃあ、手伝ってくれる?」


「嫌よ」


「やっぱり‥‥」


 即答で返されてしまいました。

 やっぱり無理だよね。

 すると由南ゆなちゃんは何かひらめいたのか急に笑顔になった。


「私誘うより、適任がいるじゃない。 磨北まきたくんとか。 休日だし親睦を兼ねて遊んできなさいよ。 ‥‥まぁ二人じゃないのは残念だけど」


 なんか由南ゆなちゃんニヤニヤしながら言ってるんだけど?

 でもしんくんかぁ、うん、一緒にいると何だか落ち着くし、協力もしてくれそうだしね。

 それに友達になったんだから、前みたいに出かけたいしね。


「うん、しんくんなら一緒に探してくれるかも、ちょっといってくる」


「頑張りなさいよ、奈留なる


 探すのを頑張るってことでいいのかな?


「うん? わかった」




 ◇◆◇◆◇◆




 しんくんにお願いをしてみると案の定、了承してくれた。

 やっぱりいい人だ~。


「手がかりが少ないから正直、見つかる可能性、大分低いね」


「でも、本当に好きみたいだったし、なんだか応援してあげたくて」


 自分はもう叶わないから、まだ叶う可能性がある人がいるなら助けてあげたくなっちゃうんだよね。


「そうだね。 僕もそういう子は応援するよ。 ‥‥自分みたいにはなってほしくないもんね」


 しんくんは小さく呟いた。

 でも一人増えたことだし、きっとすぐ見つかるはず!


「よし、こうなったら絶対見つけてみせるからね!」


 こうして、休日にやろうと思ったことを二人で話し、その日は別れた。

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