268 朝、御姉様に‥‥
朝、私は透明になっているアイちゃんと学校に向かっている、
暇なのでアイちゃんと話しているが、傍から見ると絶対に独り言を喋ってる変な人に見られると自分でもわかっているので出来るだけ声を大きくしないように気を付けながら学校に行っている。
『付き合ってるんだから陸さんと一緒に行けばいいでしょうに‥‥』
「私も高校に行くなら一緒に行きたいって思うけど、近いとはいえやっぱり違う場所だから‥‥」
『途中まででもいいじゃないですか』
「森田先輩と一緒に行けば学校まで一緒に行けるし、やっぱり誘いづらいよ」
『はぁ、夕闇さんが高校に行く頃には陸さんは卒業してますし、今のうちしかないんですから少しは頑張りましょうよ』
「う、うん‥‥」
お兄様が迷惑じゃないかちゃんと事前に聞いてから、誘おう。
でも、毎日は流石にお兄様も大変だろうから‥‥う~ん、どれくらいがいいだろう‥‥。
『また、無駄に悩んで‥‥もう少し肩の力抜いたらいいのに‥‥。 本当になんで告白できたのか疑問になるレベルね』
アイちゃんがボソッと呟いたことは私の耳には届かなかった。
そして、学校までの距離が半分位のところまで来たとき、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「小乃羽ちゃ~ん!」
「御姉様、おはようございます」
「おはよー!」
御姉様は輝く笑顔でこちらを見てくる。
わ、私には眩しすぎるね‥‥!
「奈留、急に急ぐから何かと思ったら‥‥福林さん、おはよう」
「おはようございます、灘実先輩」
最近はちょこちょこ部活動でお話することもある灘実さんだが、やっぱり怖い印象があるからか、完全に先輩後輩みたいな感じになっている。
「朝から小乃羽ちゃんに出会えるとは、ラッキーだね」
「そう言っていただけると嬉しいです! 私も御姉様に出会えて、とてもいい一日になりそうです!」
「なんて、いい後輩!」
何だかこういうやり取りも、いつものことのようになってきて、そういうのが嬉しい。
「あんたたち、本当に仲良しよね‥‥。 まぁ、いいわ。 早く行かないと学校に遅れるわよ」
「あ、そうだね! 一緒に話ながら行こう、小乃羽ちゃん」
「はい、御姉様!」
たまに御姉様と一緒に行くとこはあるけど、毎回楽しいんだよね。
でも、御姉様は慣れたのにお兄様は全然慣れるとは思えないのが不思議なところだよね‥‥。
アイちゃんは二人と出会ってから、話しかけてはこなくなった。
どこかにはいるんだろうけどね。
「小乃羽ちゃん、どうかした?」
「いえ、何でもないです!」
私は誤魔化しつつ、御姉様に付いていった。




