267 当事者
投稿が遅れまして本当に申し訳ございません!
「う~む、中々田舎にありますね、その陸さんが行きたかった場所‥‥駅は近くになさそうです。 あ、いっそのことリムジン借りちゃいます?」
「いやいや、そんなことしたらお兄様引いちゃうし、そもそも私も今の発言にかなり引いてるよ‥‥」
レンタカーとかタクシーとか一気にすっ飛ばしたね。
いや、まぁレンタカーとか借りても免許証ないから意味ないけど‥‥。
「冗談ですよ、冗談。 まぁ、師匠なら間違いなく本気で言ってたでしょうが、私はそんなにお金持ってませんからね」
確かに蕾ちゃんならあり得そうではある。
『小乃羽が車の免許証取ってれば全てが丸く収まったのに』
「色々と不味いよね、それ? そもそも運転手なんてしてたらお兄さんに顔見られちゃうから! すぐばれちゃうから!」
『冗談に決まってるでしょ。 取ってたとしてもこっちじゃ意味ないもの』
「もう、ふざけないでよね、全く全く‥‥」
つい数秒前まで小乃羽ちゃんも冗談を言ってたけどね。
まぁ、うん‥‥言ったらまたややこしくなりそうだからいいや。
『そもそも、あのバスに乗ったからといって、あの惨劇と同じようになっていたとは限りませんからね。 あのときとは状況が違いますから』
「乗った場合どうなっていたか、みたいなことは確かめたの?」
『夕闇さんが乗ってないんだから、乗った場合のことなんてわからないわよ。 なに? タイムマシンで戻って無理矢理押し込みに行く?』
「アイちゃんサイテー、お姉ちゃんがすっごく怖かったのわかってるくせにー」
『あんたが確かめたいみたいな顔で見てくるからでしょ! ‥‥‥‥はぁ、まぁでも、その後バスは何事もなく運行していたわよ。 目的地に不審な人物もいないし‥‥そもそも人が少なかったわね』
「う~む、特に問題なかったってことでいいのかな? でも、まぁ少しでも可能性がある場合は避けた方がいいのは確かだよね‥‥」
「じゃあ、もしお兄様がもう一回誘ってきた場合は‥‥」
『まぁ、現状はお断りするしかないんじゃないですかね。 念には念を入れておいた方がいいでしょう』
「それか、普通に歩きとか電車で行ける場所にすればいいんじゃないですか? 今回は別に第三者ではなく当事者なんですし、普通に意見も聞いてもらえるんじゃないですか?」
確かに妹だったときは私は部外者のようなものだったので、行く場所を変えるみたいなことはできなかったけど、今は恋人だもんね‥‥。
でも、何だか自分の都合ばかりお兄様に押し付けるのは、仕方がないかもしれないけど、少し嫌だな‥‥。