247 家で料理を‥‥
どうしようどうしようどうしよう!
今現在、お兄様と共にスーパーで買い物をしている。
現実では起こり得ないことが起こっているような‥‥何だか仲の良い夫婦が一緒に買い物にきたような‥‥いやいや、そんな私ごときがおこがましい‥‥。
「あ、このお弁当割引シールが付いてる。 お得だから買うべきだぞ陸!」
「なんで完成されたものを買うんだよ。 それとも広葉は一人で食うつもりなのか? それならここでさよならだ」
「じ、冗談だよ、あはは‥‥」
そういえば、森田先輩もいましたね。
別に忘れてたわけではないが、視界に入ってこないというか‥‥。
「福林さん、一通り買ったかな?」
「はい、ではもう行きましょうか」
「今から楽しみだね~、小乃羽ちゃんの料理」
「あんまり騒ぐな広葉。 福林さん、こんなやつだけど本当に行ってもいいのか? 迷惑になったりとか‥‥」
いえいえ、迷惑なんてありえない。
そもそも森田先輩が一緒じゃなければ誘っても来てくれなかったかもしれないし、森田先輩にはちゃんと感謝している。
「大丈夫です、今家には誰もいませんし、少しぐらい騒いでも問題ないですよ」
そして、私達はスーパーを出て家に向かった。
◆◇◆◇◆◇
「美味しい! 本当に生きててよかった‥‥」
「大袈裟だな‥‥いや、でも本当に美味しいな‥‥」
お兄様に美味しいと言っていただけたことで、嬉しさで心が跳ねる。
妹だったときは結構言われていたことだけど、妹ではなくなった今だからこそ、改めて感じることもあるんだね‥‥。
「お店とはまた違って、何だろう安心するというか、ほっとするというか‥‥あ、奈留ちゃんの料理もこんな感じだよね」
「確かにそうだな」
御姉様と同じ‥‥それは何だか認められたようなそんな気持ちになった。
「本当ですか。 凄く嬉しいです」
そして、その後も三人で何気ない話をしていたのだが、私の頭のなかでは次やるべきことの考えが頭に浮かんでいた。
そう、告白だ。
‥‥改めて考えると凄く恥ずかしく思えてくる。
今を逃したらもうチャンスはないと誘う前にも同じ事を思ったわけだけど、ここから森田先輩とお兄様を離して告白なんて本当に出来るのだろうか‥‥。
何て言えば森田先輩は納得してくれるだろう‥‥。
いや、下手な小細工をしたところで失敗するに決まってる。
それよりは少し恥ずかしいが、正直に離して外してもらったほうがいいのではないかと思った。
三人が食べ終わるのを待ち、私はお兄様に告白をするため、森田先輩に対して耳打ちした。




