245 テスト結果
お兄様のことをだけを考えて行動したいのだが、やっぱり学校には行かないといけないわけで‥‥真面目すぎるのかな? いや、そんなことないよね。
一度習ったことではあるから難しいというわけではないんだけど、やっぱりテストというのは聞くだけで嫌になるし、出来ればやりたくはない。
はぁ、でも私の体というわけではないから、少しは勉強しておこう‥‥。
◆◇◆◇◆◇
「初めてとった‥‥」
テスト結果が返ってきて、順位の欄に一位の文字があったことで、私は言葉が出ないほど驚いていた‥‥。
確かにずっと前の世界でお兄様に勉強を教えてもらってはいたけれど、一位をとるだけの実力はないと思っていたから‥‥。
一位どころか十位以内も全然入らなかった時のことを考えると驚かずにはいられない。
それに一位なんて絶対にとれないと思ってたからね‥‥蕾ちゃんが同じ学年にいたから。
そう思うとあまりこの一位に価値はないとまでは言わないが、そこまでは喜べないな‥‥。
蕾ちゃんが同じ学年にいたのなら私は一位なんてとれるわけないのだから。
「あれ? 小乃羽ちゃん、一位なの‥‥凄い‥‥」
前の席の女の子が私のテスト結果を覗いてくる。
あまり人に見せたくはなかったのだが‥‥いい成績を見てよく思わない人もいるだろうから‥‥まぁ、この子は大丈夫だろうけど。
「自分でもかなり驚いてます‥‥」
まぁ、驚いたことは本当だからね。
でもやっぱりお兄様のお陰だね‥‥。
「本当に凄いなぁ‥‥私は二百二十一位だったよ」
「そ、そうなんだね‥‥」
お兄様に教えてもらったりしていた時‥‥いや蕾ちゃんに教えてもらう前よりも順位が低いんじゃないかな、その順位‥‥。
あんまりそんな風には思わなかったけど、意外と頭よくないんだね‥‥。
いや、別に人の良さって頭が良い悪いで決まる訳じゃないしね、うん。
◆◇◆◇◆◇
部活の休憩中に御姉様とテストの話になって私は御姉様に順位を話した。
「え!? 小乃羽ちゃん学年一位だったの?」
「は‥はい。 運が良かったんだと思いますが‥‥」
「いやいやそんなことないって。 スゴいね!」
「あ、ありがとうございます。 こうやって、御姉様に誉めてもらえるなんて‥‥一位とったことより嬉しいです!」
本当に御姉様に誉められるなら何度でも一位をとりたいくらいだ。
まぁ流石にこんなことは何度も続かないとは思うけれど、でも出来ればお兄様に教えてもらったことを無駄にせずに努力できたらいいなぁと思った。
そして、今日も御姉様とお話しするだけで、お兄様に会うことはできず、告白するタイミングをつかめずにどんどんと日々が過ぎていった。




