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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
あったかもしれない、そんな世界で───
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243 もうひとつの方法

磨北まきたさんにも同じように腕時計を使ったの?」


 あれだけ大事だから使わせないようにしていたはずだが、やっぱり目の前に亡くなる寸前の人がいたら使わざるをえなかったのだろうか‥‥。

 いや、二人は優しいからそんなことすら気にしなかったのかも。


『いえ、磨北まきたさんには腕時計は使っていないですよ。 あれは不安定で危険なことも多いですから。 まぁ、単体で動きたいときや、正確な時間にとんだりと便利なところもありますが‥‥』


 確かに危険なこともあるけど‥‥あれって一、二回なら問題なかったはずだよね。

 まぁ、使わないにこしたことはないか‥‥。


「あとから思えばお姉ちゃんも磨北まきたさんと同じようにしてもらえばよかったですね」


『いや、一人で先に行ってもらうには腕時計しか方法がなかったのよ、それにまだその方法を見つけてなかったときだし。 私達に付き合わせるだけの時間の猶予があれば話は別だけど、あのまま夕闇ゆうやみさんの体のままだといつ危ないことになるかわからなかったし。 それにあれも何回もは出来ないと思うわよ』


「そうなんだ。 ‥‥あ、確かに一回使っただけで調子が悪かったもんね」


 何だか私がよく理解しないまま話がどんどん進んでいく‥‥。

 いや、でも正直知らないままなんてモヤモヤとしそうだから、どういうことなのかちゃんと聞きたい。


「あの‥‥つまりは腕時計とは同じような感じだけど、別の方法があるってこと?」


『あれを別の方法といっていいのかと私は思いますけどね。 まぁ、その通りです』


「ある意味ではそれを合わせたものが腕時計の機能なんですよね‥‥。 つまりは技術的には後退したという感じですね」


 じゃあ、腕時計は結局使わないで行ったってことだよね‥‥本当にどういう方法なんだろう‥‥。


『えっとですね、夕闇ゆうやみさん。 腕時計の正式名称を覚えてはいらっしゃいますか?』


「確か‥‥物忘レンくんだっけ?」


 本当に独特なネーミングセンスだよね‥‥。


『そうです。 しかし、名前の通り元々は過去に戻るなんて機能はなく、物忘れをしないように記憶をためておく発明品だったわけなんです。 そして、そこからどんどんとマスターが改良していって今の形になったわけですが、今回使ったのが腕時計のひとつ前の試作品です』


「そんなのあったの?」


「お姉ちゃん、発明品の山の中に普通にありましたよ? たぶん片付けの時にも触ったりとかしてると思います」


 あぁ、あの危険な山ですか‥‥。

 確かにあの中にならありそうだね‥‥。


『その試作品は記憶をためておくのと共に、相性がよい人との入れ替わり、上書きが可能になった、まぁ腕時計のタイムトラベル機能をなくしたようなものなんですが、それを今回磨北(まきた)さんに使いました。 そして、それをタイムマシンに詰めこんで持ってきたというわけです。 ちなみに腕時計のような条件はその試作品にはありません』


「そうなんだ‥‥」


 どうしよう何を言っているのか全然わからない‥‥。

 私はその後、再度アイちゃんの話を聞いてほんの少しだけ理解することに成功した。

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