235 一緒に考えること
『まぁ、この世界が私の行ってきた未来に繋がらない可能性も十分にあるとは思います。 ですが、なにもしなければその未来に繋がる確率は高くなるのは確かですね』
「その時の状況はどんな感じだったの?」
『今までとそう変わらない感じね。 磨北さんとお付き合い、桜を見に行くデートで‥‥』
「本当に何にも変わってないね」
ここまでいろんな事が変わっているのに、肝心の部分が変わっていないということが本当に理不尽に思えてくる。
『だからただ仲良くなるだけじゃ今の状況は変わらないってことね。 まぁ、今まで変わっていないのかわからなかった状態だったから仲良くするということしか出来なかったわけだけど』
「わかった以上は対策を考えないといけないね」
何だか次々と話が進んでいったけれども、改めて私は何をしたらいいのだろうか。
私は出来ることは全部やって、そして変えることができなかった。
それなのに今回何が出来るのだろうか。
また同じ事をしたって無理なこともわかっているし‥‥。
これ以上、小乃羽ちゃんたちに迷惑はかけられないし、もう失敗は許されない。
だけど‥‥私はどうすればいいのかわからなかった。
「お姉ちゃん、大丈夫ですか?」
「え、なんで?」
「何だか思い詰めた感じだったので‥‥」
確かに色々と考えてはいたけど、そこまでだっただろうか‥‥。
「どうしようか、私も考えついてね‥‥」
これは私が考えなくちゃいけないことだ。
二人に迷惑をかけられない。
「お姉ちゃん!」
「は、はい!」
急に大声で呼ばれたのでビクッとなる。
「別にお姉ちゃんが何もかも一人で抱え込まなくてもいいんです。 こういうときは協力することが大事なんですよ。 ですから一緒に考えて、最善の答えを出しましょう」
「一緒に考える‥‥」
「そうです。 一人で見えなくとも二人や三人なら見える景色があるかもしれませんからね」
何でも一人でやろうと思いすぎていたのかな‥‥。
何だか少しだけ気持ちが軽くなったような気がした。
「そう‥‥だよね。 自分の出来ることならともかく、こういうときは必要だよね‥‥」
自分がやれないときは人に頼るのも大切だと改めて感じた。
やれるのに人任せは何だか自分が弱くなるような気がするけど‥‥。
『また一人で突っ走られて、失敗されたらたまったものではないですからね』
「もー! アイちゃん! 今はそういうことをいう場面じゃないでしょ! 空気を読みなさい! 空気を!」
『あなたには一番言われたくはないわね!』
「何をー!」




