229 懐かしい気持ち
「なるほど、じゃあ遊園地に今から行こうという誘いが何の前触れもなくきたと‥‥確かに戸惑っちゃいますね」
「うん‥‥この待っている間どうしよう‥‥」
外に行く準備は出来たけど、それ以外にすることはないだろうか‥‥。
「‥‥あ、お姉ちゃん待ってたら余計に色々と考えちゃうかもしれませんし、今からお姉ちゃんが行けばいいんじゃないでしょうか」
「御姉様の家に‥‥うん、そっちの方が気を使わせなくていいかもしれないしね。 ‥‥じゃあ、小乃羽ちゃん行ってくるよ!」
「はい、頑張ってきてくださいね」
小乃羽ちゃんに見送られたのち、私は御姉様の家に向かった。
◆◇◆◇◆◇
御姉様の家に向かうとき、もしかしたらすれ違いが起きてはいけないと思ったりして不安になったりしたが、家に着いたときに声がしたので少しホッとした。
早く来て迷惑かもしれないと思って、インターホンを押すか押さないかで迷っていると、御姉様が玄関から出てきた。
「すみません御姉様。 待ちきれなくて来ちゃいました」
一応勝手来たことにどう思われるかと思ったが特に気にしてはなさそうだ。
「何かごめんね。 遅くて」
逆に気を使わせてしまったかも‥‥。
「いえ! 私が来たくて来たんですよ。 それに私の家までくる手間を省いた方が時間短縮になりますしね」
「じゃあ、このまま駅に行こっか!」
そして、御姉様の後ろから兄と森田先輩がいたことに私は内心でかなり驚く。
もしかしてこれって兄と森田先輩もいるんですか!?
いや、てっきり御姉様だけか、もしくは灘実さんがいるかくらいだと思っていたんですけど‥‥。
御姉様からそんな話を聞いてなかったので、少しおさまっていたはずの心がまたかなり揺れた。
行く途中に話を聞くと、森田先輩がクジで当てたチケットが四枚あって、それで行くことになったらしい。
でも、その四枚のチケットの内の一枚を私にだなんて、とても嬉しくて、移動中はとてもテンションが高かった。
あれ? そういえば、前にもこんなことがあったような‥‥。
森田先輩がクジで当てて、でも行けないからと蕾ちゃんと小乃羽ちゃんと兄で行ったんだっけ?
チケットを見ると同じ遊園地だし、何だか懐かしいような気持ちになる。
あの楽しかった思い出のある遊園地にまた兄と行けると思うと嬉しくなる。
そして、私たちは一時間ほどかけて遊園地に着いた。
◆◇◆◇◆◇
人の多さに圧倒されつつも、無事に入場できた私達はまずは何に乗りたいかを聞いたりした。
ちなみに私は以前のときに楽しかった思い出のあったジェットコースターに乗りたいと言っておきました。
確か昔行ったときは蕾ちゃんが大変だったんだよね‥‥。
まぁ、御姉様も兄と同じだという風に考えればそこまで苦手でもないのかな?




