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65 悩む二人

初めは、磨北信くん視点です。

 僕は最近悩みを抱えた。

 あの電話があった後、改めて夕闇ゆうやみ奈留なるさんのことを考えさせられ、僕は彼女と、どの様に関わればいいかわからなくなったのだ。


 関わらない、というのが一番楽なのかもしれないが、あまり距離をとりすぎると、もしものことがあった場合、前世と同じように後から知ることになる。

 それだけは何としてでも避けたいことだ。


 しかし、前世での出来事とはいえ、好きな人を殺した相手と仲良く出来るようになんてやっぱり私には無理なのかな。


 はぁ、なんでこんなことになったんだろう。

 私は夕闇ゆうやみくんと楽しく本の話ができれば、それで良かったんだけどな‥‥。




 ◇◆◇◆◇◆




 最近、ますます磨北まきたくんと距離ができたような気がする、ていうか、避けられてる。

 私もしかして、この前何かやらかしちゃったかな?

 理由は全然わからないけど、私無意識にそういうことする時あるって由南ゆなちゃんによく言われてるし。


 これはどうしていいのやら。


「という訳で、どうなんだろうね!」


 困ったときの由南ゆなちゃんである。

 えぇ、常識人ですからね由南ゆなちゃんは、相談にはもってこいです。


奈留なる、こういう時、いつも私に相談してるわね」


 なんか心にくる言葉を放たれた。


「そ、そりゃ、由南ゆなちゃんしか相談できる相手いないし?」


 友達少ないですからね。

 毎回心に突き刺さる言葉だねこれは。


「ごめん奈留なる、私が悪かった。 それで、どうしたのよ」


「この前の尾行の後から、磨北まきたくんとまた距離が開いたような気がするんだよね」


 距離が縮まってたのかも怪しいところだけど。


「また余計なことでも言ったんじゃないの? 主に誹謗中傷を」


「言ってないし、言わないよ! そんなことするなら死んだ方がましなレベルで」


 自分がやられて嫌だったのに相手にするわけない。

 まぁ、例外も確かに存在するわけだが。

 えぇ、前世の妹とか妹とか妹!


「冗談よ、冗談。 奈留なるがそんなことしないのは知ってるからね。 でもそれならなんでだろうね。 基本、奈留なるは一度関わっちゃえば仲良くならざるを得ないような性格してるのに」


 え!? そんな無理矢理みたいな性格してないよ!

 誰が粘着体質だコラー!


「どういう意味!」


「いや、放っておけないというか、本当にいい性格だと思うわよ」


 え、ダメだって言われてる?

 つまりは、てめぇ、本当にいい性格してるな! みたいなこと?

 違うと信じたい。


「でも、友達は少ないよ?」


「う~ん、じゃあやっぱり性格がいけないのかも」


 えー、そんなすぐ変えられることなんてあるんですか。

 もっと貫き通してほしいものです!


「性格なんてそんなすぐに変えられないよ」


「そうだよね。 あ、そういえばこの前、家に呼ぶって話、してなかったっけ?」


「うん、してたね」


 兄さんに祈実きさねさんを会わせてみようと思って計画したけど、小乃羽このはちゃんと付き合って、目的があまりなくなったんだよね。

 楽しいからいいんだけどね。


「そこで、そのお姉さんにも協力してもらって、仲良くなればいいんじゃないかな」


「‥‥‥‥それだ!!」


 えぇ、避けられるなら自分の陣地に誘い込めばいいんですよ!

 失敗したら、とてつもなく関係悪くなるだろうけど。

 やってやりますとも!

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