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64 人付き合い

「ごめんね小乃羽このはちゃん。 森田もりたさんがデートの邪魔しちゃって」


 私は、昼休み中に校舎内で小乃羽このはちゃんに偶然会ったので、まず始めに謝ることにした。


「いえ! 御姉様が謝ることないですよ! 森田もりた先輩が尾行してたというのは正直驚きましたが」


 いえ、私も尾行してたんで、謝る必要があるんです!

 でもそんなに怒ってないね?


「怒ってないの?」


「帰ろうと思ったのは私の意思ですから。 森田もりた先輩が悪いわけではないですよ。 それにあのままデートを続けていたら私がダメだと思ったんです」


「え、どうして?」


「‥‥お兄様の隣にいるのが、嬉しくて。 ドキドキで、もう倒れちゃいそうでしたから」


 顔を赤らめながら笑顔でそう言う小乃羽このはちゃん。

 何この子可愛すぎじゃないですか?


「ふ~ん♪ 楽しんだんだね!」


「その含みのある笑顔は、なんですか御姉様! そ、それよりもその日は御姉様も外出してたってお兄様が言ってましたが」


 あ、その辺は話してるんだね。

 尾行のことは言ってないんだろうなぁ。


「うん、本屋行ったり、ボウリングしたり楽しかったなぁ。 あれだけ遊んだのは久しぶりかも」


「ボウリングいいですね。 私も久しぶりにやってみたいです」


 小乃羽このはちゃんのことだから、たぶんすごいスコアでるんだろうな。


「一緒に行った磨北まきたくんは結構上手くて見ていても楽しかったよ。 小乃羽このはちゃんとも行きたいなぁ」


「え、御姉様、男性の方と行かれたんですか!?」


 一緒に行った人は兄さん話してないのか。

 どこまで言ってるのかよく分からないな。


「あれ、聞いてないの? うん、転校生の磨北まきたしんくんだよ」


「この前言ってらっしゃった方ですね。 へぇ、お付き合いされてるなんて知りませんでした」


 付き合ってるって誰が‥‥私?


「付き合ってないよ?」


「え? でも‥‥」


磨北まきたくんとは、友達になりたいんだよね!」


「そ、そうなんですか」


 あれ、間違ったこといってるかな?

 友達になりたいし、二人でも遊ぶよね。


「でも、初めて会ったときとそこまで変わってないんだよね」


「それって、初めから仲が良いとかじゃなくてですか?」


「初めから仲が良いとかあり得ないよ。 小乃羽このはちゃんは例外として」


 それでできるなら友達作りに苦労なんかしないだろう。

 えぇ、私は人間関係残念ですから。

 やっぱり自分で言ってて悲しいな。


「私、例外ですか‥‥」


「いい意味でだよ? なんていうか関わりやすかったから」


 小乃羽このはちゃんと会ったときはなんだか話しやすかったんだよね。


「御姉様に、そう言っていただけるなんて嬉しいです!」


 うわ~小乃羽このはちゃんの笑顔眩し~!

 その後も兄さんのことを小乃羽このはちゃんに聞いたりと楽しく、私は上機嫌で教室に戻った。

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