217 相性が良すぎて?
「すぐ終わると思ってたんですけど、年単位でかかってしまって‥‥でも、そこまで成長しましたかね?」
「いや、もうかなり‥‥」
だって今の私の体も福林小乃羽だけど、一緒に外を歩いても同じ人間だ! とか、双子だ! とかにはならないと断言できる。
小乃羽ちゃんが姉とかに見られることはあるかもだけど‥‥。
「でも、それだけ時間かけるって、どんなことしてたの?」
「本当に色々ですね。 まぁ、時間があるときにお話しします。 それよりも今はお姉ちゃんがどうなっているのか確認の方が大事ですからね。 何か異常があってはいけませんから」
「特になんともないけど‥‥じゃあ、一応‥‥」
そういえば、普通にお姉ちゃんって呼ばれてるけど、見た目的には完全に小乃羽ちゃんの方が年上なんだよね‥‥ちょっと違和感が‥‥。
まぁ、小乃羽ちゃんがいいならいいの‥‥かな?
◆◇◆◇◆◇
『‥‥ここまで問題がないと逆に不安に思えてくるわね』
「えー、全然なんともなくてよかったと思わなきゃ。 でも本当になんにもないね」
まぁ、本当にしっくりくるから、自分でも大丈夫だってことはわかるんだけどね。
『じゃあ、調べるのはもういいわね。 それよりも今は陸さんがどうなっているのか確かめる必要があるわね』
「お姉ちゃんはまだ会ってないんですよね?」
「うん、会って変なことになったらいけないと思ったから」
「そうなると‥‥アイちゃん、偵察よろしく!」
『別にいいけど、ちゃんとしたことはあなたが調べてね。 結局は関わらないと上部だけしかわからないだろうから』
「りょーかい」
そして、アイちゃんが姿を消し、数時間経過した後アイちゃんが特に何事もなかったように戻ってきた。
『兄妹の仲は良さそうだったわね。 それに腕時計で戻って、今は夕闇奈留さんになっている陸さんも見事に馴染んでいたわね』
「かなりの時間経ってるみたいだし、そうなるよね」
そうなったのは私の責任でもある訳だから、アイちゃんから話を聞いたときホッとしたと同時に、私も自分の目で兄を見たいと思った。
でも、その気持ちとは別に、兄を殺した自分が会っていいのか‥‥必要なとき以外は兄に会うべきではないのではないか、なんてまだ考えている自分もいる。
いや、この世界にきたのは兄を助けるためなんだ。
そう思って、後ろ向きな考えに蓋をした。
『まぁ、夕闇さんはいつでも会えるとは思いますけど、面倒事は起こさないでくださいね』
「う、うん‥‥」
正体がバレないようにとか色々と気を付けないとね。




