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60 いたのかよ!

 公園から映画館に近づくにつれて、人も車も多くなり、少し離れているせいか、声が全然聞こえない。


 しかし予想外で驚いたが、嬉しいことに、二人は手は繋いでいた。

 つい先程、何か会話があった後に兄さんが小乃羽このはちゃんと手を繋ぐのを目撃してから、ずっと握っている。


 なんだか見てるこっちもドキドキする光景です!

 これを見れただけでも今日尾行して良かったと思いますよ。


「良い雰囲気だなぁ」


 これは予想より早く、尾行終わらせるかもね。


「あ、映画館に入ったみたいだよ」


「よし、私達も行こっか!」


 兄さん達が入って行った後、私達も見つからないようにゆっくりと移動していった。

 これ回りの人から見たら、完全に不審者だね!




 ◇◆◇◆◇◆




「ふぅ、映画面白かったね」


 やっぱり二度見ても久々だからとても楽しめたよ。

 本当にもう尾行とかどうでもい‥‥いやいや気を引き締めないとね。

 兄さん達はまだ、映画のグッズ売り場をウロウロしているようだ。


「そうだね。 二度見てもやっぱり楽しかった」


「話の作りが良かったよね。 いやー久々に映画見たけど良いものだね、奈留なるちゃん」


 私達、三人は映画の余韻に浸りながら‥‥え、三人!?


「なんで、森田もりたさんが、ここにいるんですか!?」


「ヤッホー奈留なるちゃん。 尾行してたら偶然、奈留なるちゃんがいたからびっくりしたよ。 それはそうと、初めまして少年、俺は森田もりた広葉こうようだ! よろしく!」


 広葉こうようも尾行してたのかよ!?

 考えることが、同じだったとは‥‥それよりよく情報なしで、尾行できたな。


 それより、磨北まきたくんに少年って。

 二年しか変わらないのに。


「え? こ、こちらこそ初めまして。 磨北まきたしんです」


 ほら、驚かれてるじゃん。

 絶対変な人って思われたな広葉こうよう


「ごめんね。 この人、兄さんの友達なんだ」


「あ、うん。 そうなんだろうなとは思うけど‥‥」


 いきなりじゃ状況を理解するのも時間がかかるのは仕方がないよね。


「ところで、奈留なるちゃん達は何をしてるの?」


「そりゃ、兄さん達を尾行ですよ」


 当然じゃないですか!

 それ以外の何に見えるというのか!


「え‥‥うん。 それはわかるんだけどさ。 そうじゃなくてどうして、二人なのかなぁと思って」


「一人だと少し寂しいじゃないですか。 それで、無理言って磨北まきたくんについてきてもらったんですよ」


 本当に無理言っちゃったからね。

 磨北まきたくんには申し訳ないです。


「そっか‥‥そうなんだ」


「ど、どうしました?」


 なんだというんだ一体。

 急にテンションが下がったが‥‥。


磨北まきたくんとやら!」


「え、あ、はい!」


「俺は負けないよ! じゃ!」


 そういうと、広葉こうようはなんだか急いで私達の前から走り去ってしまった。

 広葉こうようが最後に言ったことが、よくわからず、私達二人とも首を傾げた。


 ていうか、尾行はもういいのか広葉こうようよ!

 まぁ、いっか。 そろそろ私達は兄さんの尾行に戻るとしましょう。



 ‥‥‥‥兄さんがいない! 見失った!?

 広葉こうように気をとられ過ぎた~!


 ‥‥まぁしょうがないよね。

 どうせ会話はあまり聞こえなかっただろうし、帰ってから兄さんに色々聞くことにしようかな。

 うん、はじめからそうした方が良かったかもね。

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