April fool 同じ人を会わせてみる②
※注意 この話は本編とは関係ありません! つまりはこの話で起こった出来事は本編では起こっていないということであり、飛ばしていただいても大丈夫です。
前回の続きで本編では今後も絶対に会わないであろう人達を会わせてみました。
ストーリーとか無いようなものですので、温かく見守っていただけたらと思います。
「大体分かっているかもしれないでござるが、改めまして、蔭道蕾でござるよ。 よろしくでござる」
そう自己紹介をした女性は、にっこりと微笑む。
その発言に同じテーブルに座っている小さな女の子はかなり驚いた顔をしていたが、もう一人の女性は平然としていた。
「花ちゃんは知ってたんっすか!? このお姉さんも私達と同じだってこと」
「知ってないと来ないわよ。 そもそも姿だって私と少ししか変わらないでしょ?」
そう言われて、女の子は二人を見比べて、少しの間の後、首を左右に振った。
「いやいや、全然違うっすよ! お姉さんは清楚っていうか、可愛いって感じなのに、花ちゃんは‥‥ね?」
「何だかカチンとくる言い方ね‥‥! そもそも花ちゃんって何よ!」
「だって、全員同じ名前なんっすから呼びづらいじゃないっすか」
「それもそうでござるね。 じゃあ、花ちゃんは花ちゃんで」
「確かに一部の人には花って呼ばれることもあるけど‥‥。 でも、別に好きで呼ばれてるわけじゃ‥‥」
納得いかないという顔をしていたが、最終的には仕方がないと諦めたようだ。
「じゃあ、あなたたちはどういう呼び方にするのよ」
「私は蔭道でお願いするでござる」
「あ、私は蕾でお願いするっす!」
「ズルいわよあなたたち!! そのままじゃない!」
花さんは立ち上がって言った。
思ったよりも声が大きかったようで、店員に見られていることに気付いて、すぐに座った。
「でも、一応それで区別出来るわけでござるし‥‥まぁ、蕾と花ときたから、別に実でもいいでござるよ?」
「そこは種じゃないっすか? まぁ、種ちゃんってなんか変な感じっすけど‥‥」
「はぁ、もういいわよ。 初めの名前と名字のやつで」
◇◆◇◆◇◆
「そういえば、花ちゃんって友達いるんでござるか?」
「な、何よ急に! ‥‥‥‥ひーくんぐらいかな」
花さんにしてはかなり小さな声になった。
「あ、別にそれがどうということではないんでござるよ? ただ何となく同じ人間なだけに気になっただけで。 私も一人でござるし」
「でも、ひーくんと同棲しているだけで、もう勝ち組っすよ。 まぁ、友達は私が一番多いっすけどね!」
蕾は自信満々に答える。
「羨ましいでござるな~」
「やっぱり、周りの環境によって違うのね。 帰ったら色々と調べてみようかしら‥‥‥‥あ、ごめんなさい、電話がきたみたい」
「あれ、私もっす」
「私もでござる‥‥」
そして、不思議に思いつつも、三人一斉に電話に出た。
その電話の相手は────




