表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
あったかもしれない、そんな世界で───
614/780

174 本を読んで‥‥

 勉強を長くしても、主に森田もりた先輩がダラけだしてしまうので、少し休憩を挟むことになった。


 休憩の間は図書館ということもあり、特に読みたい本があるわけではないが、ブラブラと歩き回りながら本棚を見ていて、ふとお兄様の方を見ると、真剣に本を読んでいるのが見えた。


 よく見ると小説を読んでいるようだ。

 お兄様が物語のあるものを読むのは何だか珍しいような気がする。


「お兄様、何読んでらっしゃるんですか?」


 私は気になって、本を探すのを中断して、お兄様の元に行った。


「あぁ、サスペンスものの小説だな。 磨北まきたから進められて何となく読んでみようと思ったんだよな」


「そうなんですか」


 お兄様が読んでるのは珍しいと思ったが、磨北まきたさんの影響でしたか。

 そういえば、磨北まきたさんも弟さんの影響で読んでるって言ってたな。


「あんまり、小説を買ったりとかは今までなかったが、これからは色んなのを読んでみるのもいいかもしれないな」


「じゃあ、私も面白い本があったらお兄様に教えてあげますね」


「あぁ、そうしてくれ」


 そういうと、お兄様は小説に視線を戻して、改めて読みだした。

 でも、そうか。 そういう本の話題なんかがあって、もしかしたら二人の距離が近付き始めたのかもしれないな。


 確かに読んだ後って、色々と話せるもんね。

 それに誰かと面白さを共有するの楽しいだろうし‥‥まぁ、私はそんな友達いなかったわけだけど。


 たまにつぼみちゃんに本を薦めたりするけど、つぼみちゃんにはあまり合わないみたいなんだよね‥‥。

 私は何度も読むタイプだから知っている本も少ないわけだけど‥‥。


 でもお兄様と本のお話をするのって楽しそうだな‥‥磨北まきたさんともなにも悪いことの起こらない世界になったら、どんな本が好きとか話したりしてみたい。


 一回目はあまりそういう話を出来なかったし。

 もしあんなことがなかったら、三人で本の話をしたりしたのかな‥‥?


 そして、私はその後もお兄様達が二人きりにならないように監視しつつ、勉学に励んだ。




 ◆◆◆◇◆◇




 奈留なるちゃんが図書館で勉強をしていたとき、アイと私はどうにか、過去の記憶を頼らずとも精神を安定させる発明品を開発出来ないかと模索していた。


 しかし、全く開発の糸口すら掴めず、長々と悩んだ末、ほんの少しだけ休憩をとることにして、その間、奈留なるちゃんについての話になった。


『そういえば、今までずっと夕闇ゆうやみさんにはマスターが勉強を教えていらしたから、それがなくなって少し寂しいですか、マスター?』


「どうしたの急に。 う~ん、まぁ、少しだけでござるよ。 でも、奈留なるちゃんにこれからもずっと教えることは出来ないでござるから、ある意味では良いきっかけなのかもしれないでござる」


『‥‥そうですか』


 そういうと、その後、特別会話もなくまた作業に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ