173 図書館での勉強
「奈留、明日図書館で勉強を教えてもいいか?」
今日も今日とてお兄様に高校の勉強を教えてもらっていたのだが、今日はもう終わりかなという時に、そういうことをお兄様から言われた。
「はい、大丈夫ですよ」
「そうか‥‥あのな奈留、その図書館でなんだが、もう一人いてもいいか?」
十中八九、磨北さんとだろう。
でも、ここで断るという選択肢は私にはない。
一回目にはなかったようなことだし、私に言わなかっただけで、図書館で二人で勉強をしていたこともあったのだろう。
一回目は直接自宅だったからね、それに比べたら図書館で会うのはそこまで進展していない証拠ではないだろうか。
二人きりにしないという点ではこれ以上の成功はないんじゃないかな?
「いいですよ」
「やっぱり駄目だよな‥‥‥‥いいのか? 広葉じゃないぞ?」
「はい、問題ないですよ?」
お兄様は私の人見知りを心配しているのかな?
まぁ、この世界ではないかもしれないけど、磨北さんとは色々とあったからね。
「そうか。 じゃあ、明日はそういうことで」
「了解です」
でも、まだこの時期なら普通に勉強するだけだろうし、私が何かする必要はないだろうな。
◆◆◆◇◆◇
そして、当日。
現在私は図書館で勉強をしている。
でも、昨日の話とは違うことが一つだけある。
「図書館なんて久々に来たよ、陸はどうだ?」
「俺はたまに来てるぞ。 ‥‥というか、広葉少し静かにしろよ」
「夕闇くんも静かにね」
何故か森田先輩が普通に勉強会に参加していること。
別に森田先輩いるなら私必要ないよね‥‥いや、昨日の段階では来るなんて話聞かなかったからだけど‥‥。
ちなみに普通に聞いてみると、暇だから付いてきたんだそうだ。
まぁ、森田先輩らしい理由ではありますけどね。
「奈留ちゃん、ここ教えて」
「えっと、ここはですね‥‥」
あと何故か、森田先輩の勉強を私が見ている。
お兄様に教えてもらった所だから、理解は出来ていて教えることも別に出来ないわけではないけどさ‥‥それでも中学生が高校生に教えるっておかしくない!?
普通は逆だよね。 森田先輩は疑問に思わないのだろうか‥‥。
「‥‥って感じです。 えっと、教えておいてあれですが、森田先輩、普通にお兄様に教えてもらえばいいんじゃ‥‥」
「陸は怖いんだよね。 話聞いてないからいつも怒るし」
いや、聞いてないから怖いんですよ、それは‥‥。
「まぁ、奈留ちゃんは怒らないし、可愛いからね、うん」
「別に私も教えることで改めて理解できて特もあるんですけど、何だか教えるのが嫌になりますね‥‥」
私もお兄様みたく怒ればいいのかな?




