134 テニスをする
その後、テニス場を借りて、四人でボールを打ち合ったり、試合なんかをしたりして、楽しんだ。
でも、やっぱりお兄様、凄い上手くて最終的には何だか少し手加減しているようだった。
磨北さんも部活が運動部ではないのでどうなるかと思ったけど、ちゃんとボールは打ち返せていた。
小乃羽ちゃんは‥‥まぁ、初めては誰にでもあるものだからね、初めから上手いなんて普通はないよ。 ‥‥お兄様以外は。
まぁ、最後の方は試合出来るくらいにはなっていたし、運動神経が悪いというわけではなさそうだ。
「ふぅ、久々に体を動かすと、思った以上に疲れたね。 筋肉痛が心配になるよ‥‥。 奈留ちゃんは平気そうだね」
「そうですね。 もう少しくらいの余裕ならあります。 でも、お兄様と比べると全然ですね」
「夕闇くんは余裕ありそうだもんね‥‥本当にタフだよね。 っと、そろそろ帰ろうか。 これ以上は暗くなるかもだし」
「そうですね」
久々に打ち合いが出来て、改めてテニスの楽しさを実感できたような気がする。
高校に入ったら部活どうしようかと思ってたけど、またテニス部に入るのもいいかもしれないなぁ。
◆◇◆◇◆◇
帰り道、皆で夕闇家に戻るのか、ここで解散するかで、結果、解散となった。
まぁ、暗くなってからは危ないもんね。
磨北さんと同じように小乃羽ちゃんも蕾ちゃんの家へと帰っていったけど‥‥アイちゃんと喧嘩してたんじゃなかったっけ?
なんかもう色々あって喧嘩していること自体を忘れてるんじゃないだろうか‥‥。
まぁ、アイちゃんに反省していたこととか、仕事があまり進まなかったのは自分が色々と振り回したからだとか、一応フォローのメールはしておこう。
「奈留。 俺達も帰るか」
「そうですね。 ‥‥って、お兄様はてっきり磨北さんを家まで送られるんだと思ってました」
「まぁ、暗かったら無理にでもそうするけどな。 今は明るいしな。 それと送ると申し訳なさそうに気を使うみたいだから、毎回するわけにもな」
「なるほど‥‥」
あー‥‥まぁ、送るのって行って帰ってこなきゃいけないもんね。 磨北さんが気を使うのはわかる気がする。
「そういえば、こうやって二人で歩くのは久々だな。 何だか最近はすれ違いが多かったし」
私は蕾ちゃんのことで、お兄様は磨北さんとで、それぞれあったからね。 家以外の場所は珍しい。
「家に帰ったら二人でのんびりするか」
「いいですね!」
こうして、この日は久々にお兄様と長く一緒に過ごせて、私としてはとても良い日だった。




