123 気付かれてた?
あのお墓で磨北さんに出会った日。 磨北さんをお兄様の彼女と肯定したことで、全てが吹っ切れたような感じになった。
お兄様とも普通に話せるし、それに磨北さんともお兄様の彼女になる前のように話せている。
それが私にとって良いことなのかはわからない。 もしかしたら、少しは距離をとるべきなのかもしれないけど‥‥。
でも、お兄様も磨北さんも付き合ってからも、変わらずに近い距離で私に優しくしてくださるので、そんな思いを私が仇で返すわけにはいかないだろう。
ま、仲良しなのは良いことだからね!
そして、今日は心配してくれていたアイちゃんにも大体のことを話しておこうと思って、蕾ちゃんのお世話が一段落していたときに二人で話していた。
『へぇ、お兄さんが磨北祈実さんと付き合うことになったと』
「うん、まぁそれだけのことなんだけどね。 ごめんね、何か心配してくれたのに、小さなことで」
『夕闇さんにとっては大きなことでしょう? だって、好きな人だったんですから』
「ま、まぁね‥‥‥‥って! あれ? 私、アイちゃんに話したっけ? 蕾ちゃんから聞いた?」
本当に私、お兄様が好きってことは蕾ちゃんにしか言ってないんだけどな‥‥でも蕾ちゃん、そんなに口は軽くないと思うんだよね‥‥。
『まぁ、確かにマスターにも最終的に聞きましたけど、それは大体わかった後でですよ。 一時期お兄さんに近づく磨北さんを調べてほしいと駆り出されたのは私ですよ?』
「あ、確かにそうでした‥‥その節はどうも‥‥」
忙しいのにお願いしちゃって‥‥。
まぁ、確かにそんな兄の周りの女性を調べてほしいなんて、お願いされれば誰だって気付くかも‥‥。
『いえいえ、マスターと夕闇さんの為でしたから』
「ありがとう。 でもそっか、そういうところから情報が知られていくんだね‥‥」
これからは本当に注意しないとね。
回り回ってお兄様や磨北さんに流れ着いたりしたら、笑い話じゃすまないし‥‥。
『‥‥‥‥お兄さんと一緒にいる家での夕闇さんを見たことがあったら、鈍感でなければ、そう考えちゃうと思いますけどね‥‥』
「え、何か言った?」
『いえ、何でもありません』
「‥‥そっか。 あ、そういえば小乃羽ちゃんにも心配かけたことを謝りたかったんだけど‥‥」
『今は久々に自宅に帰っていて、たぶん今は爆睡中ですよ、きっと。 まぁ最近はあまりいい睡眠がとれていないみたいなので、小乃羽にはゆっくり休んでほしいものです‥‥』
「そうだね」
何だかんだ言い合ったりもしているが、やっぱり仲良しな二人組だね。




