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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
あったかもしれない、そんな世界で───
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117 早く帰ってきたら

 その後、私はいいと言ったのだが、卒業式くらい早く帰れと言われてしまい‥‥というか、最近はアイちゃん達が適当な理由をつけては、私を早めに帰らせようとするのだけど‥‥私ってそんなに疲れてるように見えるのかな?


 そんなこんなで私はまだ空が青いうちに帰ることになった。


 家に帰るが、もちろんお兄様はまだ学校で授業を受けていると思われるので、家にはいない。


 制服から部屋着に着替えるとき、一瞬最後はお兄様に見てもらいたいとも考えたのだけど、毎朝見せてるしと思い、すぐに着替えた。


 そして、お兄様がいない一人の家で何かやるべきことはないかと思い、一通り辺りを見渡すが、お兄様は全てにおいて完璧になさっておられるので、私のやることが全くない。


 まぁ、元々私がやっていた家事だってお兄様にお願いしてやらせてもらっていたものですから、私がやらなくなったら全部してしまわれるに決まってるよね‥‥。


「‥‥あ、そういえば、私お昼ご飯まだだったな」


 一人分作るだけというのは、色々と勿体ない気もするが、お腹が空いてるし‥‥作りますか。

 何だか誰かと一緒にってときが多かったから、一人っていうのも新鮮だな‥‥いや、大勢の方がいいけどね。



 その後、私はご飯を食べた後、暇になり何となく自分の部屋で本を読むことにした。

 つぼみちゃんが倒れてから、あまりこういう誰もいない空間で本を読むっていうのは久しぶりかもしれない。

 寝て起きて、学校に行って、つぼみちゃんの家に行く、それでほとんど一日を過ごしてたからね。


「もう何十回とこの本読んだけど、何度読んでも面白いなぁ‥‥」


 私は基本的に、一冊で完結しているような本が好きだ。

 初めから最後までその本で読むことで、大切な一冊って感じがするから。


 ま、持ち運びに都合がいいからっていうのもあるかも。


「‥‥あ、もう結構時間経ってる。 やっぱり本を読んでると過ぎる時間って速いなぁ‥‥」


 そして私は本を読み、たまに時計を見ることを何度か繰り返していると、玄関の方から音がしたような気がして、読書を中断した。


 お兄様でしょうから、お出迎えしないと‥‥。


 そう思い、私は玄関まで行くと、お兄様と一緒に磨北まきたさんがいるのが見える。

 また、森田もりた先輩と三人で遊びに来たのかなと思ったが、森田もりた先輩の姿が何処にもない。


「お兄様、おかえりなさいませ。 磨北まきたさんもこんにちは」


「な、奈留なるちゃん。 こんにちは! 卒業おめでとう」


「ありがとうございます」


 磨北まきたさんも今日が中学校の卒業式だって知ってたんだね。


「ただいま。 奈留なる、卒業式だから早かったのか?」


「えぇ、それもありますが‥‥それより今日は森田もりた先輩はいらっしゃらないんですね?」


「あ、あぁ、いつもいるからたまにはと思ってな」


 返答が少しいつものお兄様じゃないような気がしたが、磨北まきたさんが一緒にいることもあり、特に聞かなかった。

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