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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
あったかもしれない、そんな世界で───
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99 また、いつものように‥‥

 家事などを終わらせたり、小乃羽このはちゃんと食事をとったりして、今日も外が暗くなってもつぼみちゃんの様子を見たりしていたのだが、やはりと言っていいのか、つぼみちゃんが目覚めることはなかった。


「じゃあ、今日はもう帰るよ」


「はい、奈留なるお姉ちゃん。 また‥‥あしたですね」


 最近の小乃羽このはちゃんは私が帰る直前になると、何だか寂しそうな表情をする。

 つぼみちゃんがなんともない頃だったら、常につぼみちゃんが起きて何かしらしていたから‥‥。


 やっぱりアイちゃんがいるとはいえ、つぼみちゃんみたいに世間話をするわけじゃないだろうしね。

 それとつぼみちゃんの部屋は広いからそれで余計に寂しくなっているのかもしれない。


 私も泊まり込むってことをしたらいいんだけどね‥‥流石にそれはね‥‥いけないいけない、私暗い表情になりそうだった。


 最近は私も暗い表情をよくしてたけど、私は先輩なんだから、小乃羽このはちゃんの前ではちゃんといつもの表情でいられるようにならないとね‥‥。


「明日もいれるだけいるつもりだから。 明日は何食べたい?」


「フワッとトロッとしたお姉ちゃんのオムライスを‥‥」


 結構すぐに返事がきたね。 オムライス食べたかったんだろうか?


「わかった。 じゃあ明日ね」


「はいっ!」


 あ、少しまた元気になってくれたかな?




 ◇◆◇◆◇◆




 つぼみちゃんの家に行っている影響もあり、ここ一週間のお兄様との一緒にいる時間は極端に減った。

 お兄様のことは大好きなので出来れば長くいたいし、もっとお兄様の役に立ちたいと思っている私は以前から全く変わってはいない‥‥けど、お兄様の時間も大切なようにつぼみちゃんとの時間も大切なのだ。


 もしかしたら片方の大切な時間がなくなってしまうかもしれない時に、私はもう片方だけを選ぶことなんてできない。


 私はきっと欲張りだから、お兄様も‥‥つぼみちゃんもそばにいてほしいから。

 だから、今はお兄様との時間を減らしてでも、つぼみちゃんと一緒にいたいとそう思った。



 なので、夕闇ゆうやみ家の料理も洗濯も掃除も‥‥今はお兄様に任せてしまっている。

 遅く帰るから私は家事などをしたくないとかでは全くないのだけど、遅く帰る私に気を使ってなのか帰る頃には全てが終わっているのだ。


 元々お兄様がやっていたわけだから、出来て当然なんだけど、ここまで完璧だと私という存在は必要あるのかなんて、ここ最近暗い気持ちになることが多いせいか、考えてしまう。


 特に今はつぼみちゃんの家で晩ごはんを食べているので、お兄様一人分だしね‥‥通常ならあるお兄様とのコミュニケーションの場が減っているということも私としてはさらに不安が募る。



 あと、どのくらい経てば、つぼみちゃんと笑い合うことができる元の日常が戻ってくるんだろう‥‥。

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