87 夢なのか、あるいは‥‥
前半は視点が奈留ちゃんではなく‥‥。
『‥‥‥‥』
───違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!
私はそんなこと望んでない! 私はただあの人のために!
『‥‥‥‥』
違うって言ってるでしょ! 私はただあの人を‥‥‥‥あの人を‥‥‥‥
◆◇◆◇◆◇
『マスター、マスター。 大丈夫ですか? うなされていらっしゃいましたが‥‥』
「───ひっ! ‥‥‥‥はぁ、ありがとうアイ」
私は自分を落ち着かせるために、近くに置いていた水の入ったペットボトルをとり、飲んだ。
『今日も‥‥ですか?』
「うん。 ‥‥やっぱり周期が短くなってる気がする」
『学校、休まれますか?』
「‥‥ううん、大丈夫。 あんまり奈留ちゃんに心配かけなくないから」
それに、比較的体の方は疲れていない。
『そうですか‥‥』
何だか暗い雰囲気になってしまった。
いけないいけない‥‥。
「‥‥‥‥ふぅ。 じゃあ、今日こそは奈留ちゃんを待ち伏せしてびっくりさせるでござるよ!」
『今日みたいな日にやるんですか、それ‥‥』
「今日だからこそでござるよ、アイ!」
そうと決まれば早速、身支度しないと!
◇◆◇◆◇◆
「流石にびっくりしちゃったよ‥‥まさかエレベーターが開いた瞬間、蕾ちゃんがいたんだもん」
何時ものようにエレベーターで昇り、蕾ちゃんの階は蕾ちゃん以外には誰もいないから、人がいるなんて思っておらず、開いた瞬間は流石に後ろに飛んだね、驚いて。
「あはは、本当は珍しく支度していることにびっくりさせたかったんでござるけど、まぁそれは置いておくとして、磨北さんと敵対! みたいにならなくて本当によかったでござるね」
「流石にそれは‥‥いや、まぁあったかもしれないけどね。 でも、結局は面白い人だったし、たぶんだけどまた家に遊びに来たりするんじゃないかな?」
まぁ、森田先輩ほど来なければ、一応は来ていただいても私は構わない。 来ても勉強したりだろうし。
「そうなんでござるか‥‥」
「そういえば、蕾ちゃん。 何だかいつもより元気がないような‥‥いや、気のせいとかならいいんだけど」
「え‥‥‥‥いや~奈留ちゃん凄いでござるね。 そうなんでござる、少し寝不足で」
「支度するために無理して起きたの? 支度してくれるのはありがたいけど、疲れたりするならギリギリまで寝ていてもいいんだよ?」
開発とか色々と仕事している人だから、寝る時間も少ないだろうしね。
疲れているなら、ギリギリまで寝てもらって、私が行った時に支度を手伝うし。
「あはは、ありがとう奈留ちゃん」




