74 後悔しながら帰ると‥‥
蕾ちゃんの家から自宅に帰るまでの間、先程までの蕾ちゃんのやり取りを思い出して、ここ最近で一番後悔していた。
「私、さっき絶対感じ悪かったよね‥‥。 あーもう! 学校に友達は蕾ちゃんしかいないのにあんな態度とっちゃう私って、相当な大馬鹿だ‥‥!」
明日は学校に来れるのかとか、今日の学校のこととか、まだまだ話したいことはあったはずなのに‥‥結局私は蕾ちゃんに倒れた原因である質問ばかりしていた。
蕾ちゃんもきっと明るい話をしたかっただろうに‥‥本当に私は考えなしだったな‥‥。
明日‥‥ちゃんと謝れるだろうか‥‥。 そして、許してくれるだろうか‥‥。
いや、蕾ちゃんは優しいからきっと謝らなくても許してくれるだろうけど、それは甘えというやつだろう。
うん、明日きちんと謝ってまたいつも通りに戻ろう。
◇◆◇◆◇◆
家に帰ると玄関には見慣れない靴が二足ほどあり、リビングからは女の人の声が聞こえてきている。
‥‥誰? お兄様が家に入れる女の人なんて思い当たる人がいないんですが。
もしかしてだけど、転校生‥‥って、いつまでも転校生じゃないね、磨北という女の人かもしれない可能性が‥‥。
そういえば、最近はあまりその人とお兄様の関係を探ったりしてなかったし、私の知らないところでということも‥‥。
いや、まだ決まった訳じゃないからね。
私は確認のためにリビングのドアを開けた。 そして見えた光景は‥‥。
「ただいま帰りました‥‥‥‥あれ?」
そこには予想外の子が楽しそうに座っていた。
「お邪魔してます、奈留お姉ちゃん!」
「小乃羽ちゃん!?」
何故にお兄様と森田先輩と共に小乃羽ちゃんが一緒に家にいるの!?
◇◆◇◆◇◆
「何か師匠が調子が悪いということで来るなというのをアイちゃんから連絡をうけたので、暇だなぁと歩いていたら、お姉ちゃんのお兄さんに出会いまして‥‥あれ? 姉が兄で兄が‥‥」
「いや私の兄で合ってるからね。 でもそっか、確か遊園地に行った時にお兄様に会ってたね」
「そうなんです。 それでお兄さんにお願いして家に伺わせてもらったんです、待ってればお姉ちゃんに会えると思って」
なるほど‥‥つまりは暇で、兄様に偶然出会って、うちに来たと‥‥それにさても私に会いたいと思ってくれるとは、小乃羽ちゃん可愛いな、全く‥‥。
「なぁ、陸」
「なんだ広葉」
「なんで陸ばかり女の子の知り合いがいるんだ?」
「それは広葉だからだぞ‥‥と言いたいところではあるが、今回の場合は妹の友達だからな」
「俺も妹が欲しかった!!」
小乃羽ちゃんいるのにいつもと変わりませんね森田先輩は。




