68 授業を受けていて
午後の授業になった時、黒板の文字を、まるでコピー機のように無心でノートに写す。
もうこれなら携帯で写真を撮った方がいいのでは? とは思ったりもするが、携帯使っちゃ駄目だからね‥‥。
あと、たぶん賢い人などは丸写しではなく、少し何かノートを工夫して書いたりするのだろうけど‥‥ただし蕾ちゃんを除く。
でも私は、黒板に写すだけで精一杯というか、ノートに力を入れすぎると先生の話が入ってこないんだよね。
聞いて見て書いてで、それが一時間続くと思うと流石に集中力が続かないわけで、たまにボーっとしていることがある。
その時の先生の話はまるで頭に入ってこなくて‥‥。
だから授業終わり、蕾ちゃんにこんなことを言われたときは、とても驚いた。
「明日、急に小テストって。 簡単なのとはいえ、大変でござるね」
「‥‥え? 先生テストって言ってた!?」
「あれ、奈留ちゃん聞いてなかったんでござるか?」
うわ~、絶対ボーっとしていた時に言われたんだ‥‥。
何処の何が出るとかも全然聞いてない‥‥まずい‥‥。
「‥‥うん、聞いてなかったみたい。 蕾ちゃん、教えて~」
「しっかりしてるように見えて、たまに抜けてたりするんでござるよね奈留ちゃんは。 まぁ、いいでござる。 出るところは基本的に今日やったところらしいでござるよ?」
今日の授業のところ、難しかったんだよね‥‥。
一人で勉強してちゃんと理解できるだろうか‥‥?
「蕾ちゃん、放課後予定とかあったりする?」
「まぁ、あ‥‥ないでござるよ! 勉強会でござるね」
「大掛かりにはしなくていいんだけど、ほんの少しだけ教えてもらえるとありがたいかな?」
蕾ちゃんも発明とかで忙しいだろうけど、教えてもらわないとヤバイかもしれないからね‥‥。
「今日は私の家が少しごちゃごちゃしてるでござるから、奈留ちゃんの家でもいいでござるか?」
「うん、大丈夫だよ」
でも、昨日お泊まりだったはずなのに、もうごちゃごちゃしちゃったってことなのかな?
帰ったあと、どんな開発をしていたのやら‥‥。
◇◆◇◆◇◆
「へぇ、陸さんと小乃羽ちゃんの相性は九十八パーセントでござるか‥‥奈留ちゃんよりは低いでござるが、相変わらず高い‥‥あ、奈留ちゃんそこ間違えてるでござる」
「何でさっきから携帯見てたのに、私が間違えてることわかるのさ! 蕾ちゃんは目何個あるの!」
「そんな人を化け物みたいに言わないでほしいでござる! 普通に並行して見てたでござるよ?」
んー、やっぱりレベルが違うね。




