65 さまざまな組み合わせ
「そういえば、そのお兄様の友達の森田先輩とも、こそっと相性診断したんだけど───」
「───どのくらいだったんでござる!?」
うぁっ! 急にすごい食いつき! そ、そんなに気になることなのかな?
‥‥まぁ、蕾ちゃんなら考えられるけど、色々な実験データのようなものがほしいとかそういうのかもしれないね。
「それが凄く低くてね。 十九パーセントだったんだよ。 見たときがお兄様との相性を見る前だったから、かなり動揺したよ‥‥同じような数値になるんじゃないかって‥‥」
「かなり低いでござるね! そんな数値にもなるんでござるか‥‥」
蕾ちゃんはそう言いつつも、どこかほっとした様子だった。
「まぁ、私も森田先輩とはお兄様がいるときくらいしか話さないし、そこまで仲良くはないからこの数字なのかも‥‥? って、そういうのはあまり関係なかったんだったね」
「占い程度のものでござるからな。 ‥‥あ、そういえば、その時に撮った先輩方のデータはまだあるでござるか?」
「どうなんだろ? 特に消したりとかはしなかったはずだけど‥‥どうして?」
「データが残っていればその人がいなくても、残ったデータで数値が出せるんでござるよ。 つまりは陸さんとその先輩の相性とか、すでに暗記していて、ここにいないのに、わかっちゃったり‥‥」
「あ、それ便利だね! つまりはここにいないけど、データとして入ってる小乃羽ちゃんと森田先輩みたいな面識がない二人でも出来るってことだね!」
そういえば、あの時は自分のことでいっぱいいっぱいだったから、見なかったけど、お兄様と森田先輩の相性も気になるかも。
「じゃあ、ちょっとやってみるでござるよ」
「アプリを起動してっと‥‥う~ん、どこにあるかわからないんだけど‥‥携帯渡すから蕾ちゃんがやってみてくれない?」
「了解でござる。 ここをこうしてっと。 それで陸さんと‥‥森田さんでしたね。 セットしたでござる!」
「あとは診断を押すだけだね。 ポチっ‥‥あ、でた」
「でたでござるね! ‥‥うん? 九十五パーセント? 高いでござるねー」
「九十五パーセントか‥‥流石に仲良しなだけはあるけど‥‥」
「‥‥」
でも、私たちも仲良しなのに低くて、森田先輩とお兄様が高いというのはなんか負けた気分です! 許すまじ森田先輩!
「まぁ、それだけ二人が相性がいいから一緒にいるってことだよね」
そう言って、蕾ちゃんを見ると、何だか数値が出たあとも携帯を弄ってるけど‥‥詳しく見てるのかな?
「‥‥‥‥高いけど、ま、負けてる」
「蕾ちゃん?」
「‥‥あ、え! なんでもないでござるよ! それより携帯お返しするでござる、奈留ちゃん」
「え、あ、うん‥‥」
話しかけたら蕾ちゃんの顔が凄く驚いた顔をしたから、こっちもビックリしたよ‥‥。
でも、まぁ‥‥このアプリ便利だなぁ‥‥。




