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48 それは休日の出来事

「今度、家に遊びに来ませんか!」


 どうせ、兄さんのことだから同じクラスになっても関わりがないだろうし、私がきっかけを作らなきゃね!

 まだ、外に遊びにいくのは早いと思うし、ここはお礼という名目で家に来てもらおう。


「え、家に?」


「はい、今日は祈実きさねさんが、招待してくれたので、今度は私が、お礼も兼ねてということで」


 ここで断られたりすると早くも作戦失敗なのだが‥‥。


「うん、いいよ! 暇な時にお邪魔するね」


 よし! 完璧だ!


磨北まきたくんも一緒に来てね」


「え!? 僕もですか?」


 まぁ作戦には関係ないが、今日話してみてやっぱり楽しかったし、磨北まきたくんにも来てほしいと思った。


「うん、お願い」


「わかった。 ‥‥少し確かめたいこともあるしね」


 確かめたいこと?


「何かあったっけ?」


「いや、こっちの話。 ちょっと、お茶いれてくる」


 磨北まきたくんはそういうと、キッチンの方に行った。




 ◇◆◇◆◇◆




「今日はありがとうございました。 楽しかったです」


「私もだよ。 またお話ししようね、奈留なるちゃん」


「楽しんでくれたなら良かったよ。 夕闇ゆうやみさん、きさねぇが面倒くさいときは、ちゃんと言ってね。 注意しとくから」


 なんだか、関係が私達兄妹に似てるな。


「あはは、じゃあまた」


 こうして私は家へと帰った。

 そういえば、今日は、本を一冊も読まなかったな。

 帰ったら少し、読もうかな。




 ◇◆◇◆◇◆




「ただいまー!」


 家に帰るといつも返ってくるはずの声がなく、ついているはずの電気が消えていた。

 あれ? 兄さんどこか出掛けてるのかな。


 私は特に気にせず、夕食の準備を始めることにした。

 すると、それほど時間が経たずに、玄関の方から音が聞こえた。


「兄さん、お帰り」


「ただいま、奈留なる


 何だかいつもと違う、そう思った。

 いつもだったら、こういう時に抱きついてきたりして、もうちょっと明るいはずだ。


 何かあったのだろうか。


「どうしたの? 兄さん」


「ん? 別に何もないぞ」


 兄さんが私に何も話さないなんておかしい。

 余計に疑ってしまう。


「何もないって顔じゃないよ? 話してみてよ」


 兄さんは少し黙ったが、ため息をついた。

 それはなにか諦めたように見えた。


「はぁ、やっぱり妹を誤魔化すとか俺には無理だな。 わかった、言うよ」


 もうちょっと粘ると思いきや、話してくれるようだ。

 あと全く誤魔化せてなかったよ兄さん‥‥。

 そして兄さんは話し始めた。


「今日、告白されたんだ」


「うんうん‥‥は?」


 告白された男の顔じゃないよそれ?

 普通だったら、喜んだりするものだろう!

 告白され過ぎて、心が廃れたのかこの兄は。


「その反応はわからなくもない。 まぁ、俺だって別に知らない人から告白されたなら現状はは変わっていただろう」


 何? 知らない人からだったら、問答無用で振るってことですかこの兄は。

 説教が必要だな。


 それにしてもこの話の流れ的に告白してきたのは知ってる人。

 誰だろう、兄さんの知り合い‥‥広葉かな?


「で、その相手って?」


 兄さんは少し渋りながら、その名前を言った。


「‥‥福林ふくばやしさんだよ」


 小乃羽このは‥‥ちゃん?

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