59 気持ちのよい朝
今度こそ朝に目覚めた私は、隣で気持ち良さそうに寝ている蕾ちゃんを見て、ホッとしつつも、あれだけ夜更かししてたんだから、早く起きることはないだろうなぁ‥‥と思いつつも、もしかしたら起きたりして、と思って蕾ちゃんの頬をツンツンしてみるが、蕾ちゃんは少しニヤっとしたりするが起きる気配は全くなかった。
「えへへ‥‥ひーくん‥‥」
「あはは、蕾ちゃんも寝言言うんだね~」
いい夢でも見ているのかもしれないなぁ。
うん、そっとしておこう。
小乃羽ちゃんは‥‥あれ? いない‥‥。
もしかしてもう起きてるのかな? 確かに凄く寝るの早かったし、それなら起きるのも早いのかも!
それなら私も起きようと思い、ベッドから起き上がると‥‥‥‥あれ? 小乃羽ちゃんいた。 ‥‥ベッドの下に。
もしかしてだけど、ベッドから落ちて‥‥そんなまさか。 いや三人で寝ていたからもしかしたら端で寝てしまってっていうことなのかも?
「小乃羽ちゃん、小乃羽ちゃん?」
「むにぃ‥‥‥‥ふぇ? お、お姉ちゃん? えっと‥‥おはようございます」
「おはよう、小乃羽ちゃん。 早速だけどフローリングは固いだろうからベッドに戻ったほうがいいんじゃないかな?」
「あれ? ‥‥ご、ごめんなさい!」
「いや、小乃羽ちゃん謝るようなことしてないから大丈夫だよ? でも、何処か痛いとかない?」
「はいっ! 何ともないです!」
何だろう出席をとってる先生に元気よく返事するような、はい、だったね‥‥。
というか、小乃羽ちゃん結構大きな声だったけど、蕾ちゃんピクリともしなかったね。
「まだまだ蕾ちゃん寝てるし、小乃羽ちゃんも、今からもう少し寝る?」
「いえ! せっかく奈留お姉ちゃんに起こしてもらったので、当然起きますよ」
起きてすぐなのに、凄く元気のいい小乃羽ちゃんに圧倒されつつも、いつもよりもスッキリとした朝を迎えることができた。
◇◆◇◆◇◆
着替えたり身支度を整えた私達は、リビングに行った私達はすぐに、朝食を作ろうという話になったのだが‥‥。
「そういえば、食材なかったね‥‥」
「今から買いに行きます?」
「いや、まだいいんじゃないかな? 小乃羽ちゃんがお腹空いてるならすぐに買いに行くけど‥‥」
「いえ、まだ大丈夫ですけど‥‥。 なにか理由でも?」
「何だか、お泊まりなのに蕾ちゃん抜きっていうのもと思ってね。 いつもだったら先に作ってて待っててもいいんだけど‥‥」
「それもそうですね。 先に作ってたら冷めちゃいそうですもんね」
小乃羽ちゃんも笑顔で了承してくれた。
蕾ちゃんが起きたのはそれから、二時間ほど経った頃だった。




