44 蕾ちゃん? と遊ぼう
「蕾ちゃん起きないね」
『そうですね。 夕闇さんがいらしてから、一時間が経っております』
でも、ゆっくり寝れる日に起こすのも可哀想だし‥‥まぁ、アイちゃんもいるしね。
『もし、よろしければですが、マスターとお喋りなら出来ますのでしますか?』
「へ? 寝てるんだよね、蕾ちゃん」
『えぇ、寝ていらっしゃいます』
えっと‥‥蕾ちゃんは寝てるけど蕾ちゃんとお話しできる‥‥え、何それ、なぞなぞですか?
◇◆◇◆◇◆
『な、なんでござるかー!』
蕾ちゃんの叫び声が家のなかに響く。
「凄く可愛いね!」
『えぇ、本当ですね』
えっと、現在何が起きているのかというと‥‥。
蕾ちゃんとお話をしていた。 しかし、今よりも幼い小学生の時の蕾ちゃんと。
別に寝ていたら蕾ちゃんが幼くなってた! とかそういうファンタジーなわけではなくて、小学生の蕾ちゃんは現在画面に映されていた。
『昔、マスターが小学生の時に脳内まるごとコピーしたことがあってそれを元に作ったものなんです。 ベースは私なので、融合して作ったといったところなんですが‥‥』
「へぇ、じゃあ完全ではないの?」
『そうですね、話の返しは小学生の時のマスターそのものですが‥‥難しいものです』
いやいや、もう私から見たら完璧だと思うよ?
『私もまぜてほしいでござるー!』
「あ、ごめんね蕾ちゃん」
何だろう、凄く今お姉さんって感じがする!
親戚の子が来たみたいな。
『あそぶ、あそぶでござるよー!』
「そ、そうだね、遊ぼっか」
うわぁ、この頃の蕾ちゃん、なんか純粋さが溢れだしてるね‥‥まぁ、今でも同じような感じの時あるけど‥‥。
◇◆◇◆◇◆
「ま、負けた‥‥」
『やったー! やったでござるー!』
画面越しだと遊ぶ遊びは限られているので、普通に出来そうな、しりとりをしていたのだが‥‥普通に負けました。
‥‥小学生の時でも蕾ちゃんは蕾ちゃんだね。
『まぁ、ネットに接続すればいくらでも言葉は出てくるので』
「あ、なるほど」
なら、私が負けても‥‥いや、たぶんだけど、調べてなくても負けてると思います、はい。
『しらべたらゲームにならないでござるよー!』
「別に思ってないから大丈夫だよ、蕾ちゃん。 やっぱり蕾ちゃんは凄いね」
『えっへん!』
あはは、やっぱり小学生の時だから普段では言いそうのないことを‥‥可愛い。
『まぁ、マスターは小学生の時の自分を見るのはあまり好きではないみたいなので、起きてくるまで相手してあげてください』
あ、そうなんだ‥‥まぁ、私も小学生の時の自分を見たら色々と思うところもあるかもしれないし、当然なのかも?




