43 お泊まりの日に
今日は蕾ちゃんの家でお泊まりの日。
蕾ちゃんの仕事は終わったと聞いたので、予定としては結局延期はしなかったけど、昨日はちゃんと寝てくれただろうか‥‥。
一日寝てないのは蕾ちゃんにとって、普通と言ってもいいのかもしれないけど‥‥。
この前の体調が悪くなったときから、蕾ちゃんにもしもがあったらと思うと、大事な仕事だとしても正直無理はしないでほしい。
「でも無理はしないでほしいって、私が言っても変わらないだろうし‥‥そもそも今日は私と泊まりたいからって蕾ちゃんがしたかったからでもあるし‥‥」
泊まりたいから頑張ったんだから、今日は延期して休んでとは言いづらいわけで‥‥。
「まぁ、出来るだけ今日はゆっくりさせてあげよう」
料理‥‥はまた材料を買いに行くことになりそうだな。
少しは食材あるとは思うけど‥‥でも冷蔵庫食材じゃなくてクリオネ入ってるしね。
そんなことを考えているといつも通りの高層マンションが見えてくる。
なんか毎日行ってるからか、もうほとんど無意識でも蕾ちゃんの家に行けるような気がするよ‥‥。
そして、エレベーターで上がり、蕾ちゃんの部屋の前まできた。
いつもはインターホンは一応鳴らすのだが、一回もそれで出てきたことないんだよね‥‥。
「合鍵持ってるんだし、一度普通に入って‥‥‥‥って! 鍵閉めてないじゃん!」
ドアノブを引っ張ったら普通に開いちゃったよ!
マンションだからって危ないよ‥‥まぁ、この階に住んでるの蕾ちゃんだけだからあまり問題ないのかもしれないけど!
私は開いていた扉から入ると‥‥誰もいない。 ま、当たり前か。
いつもはアイちゃんが来てくれるけどね、というかたぶんアイちゃんはエレベーターに乗っている時点て私が来ていることはわかっているだろう。
まぁ、何も言ってこないってことは特に問題ないみたいだね。
蕾ちゃんのいつもいる部屋の方へ向かう。
もしかしたらまた発明品弄ってるのかな?
そして、部屋に入ると───
「蕾ちゃん、スッゴい気持ち良さそうに寝てる!!」
『まぁ、マスターも人間ですので。 おはようございます夕闇さん』
「あ、おはようアイちゃん」
ここにいたってことはもしかして起こそうとしていたとかなのかな?
「蕾ちゃんいつぐらいから寝てるの?」
『昨日、帰られてすぐですね。 まぁ、ここ最近の疲れがどっときたという感じでしょうかね』
もしかすると寝た日もそこまで長くは寝てなかったのかも‥‥。
「そっか‥‥じゃあ、まだ起こさないであげて」
『よろしいのですか?』
「アイちゃんだってその方がいいと思うでしょ? それに蕾ちゃん凄く幸せそうに寝てるのに起こせないよ」
『お気遣い感謝します、夕闇さん』
まぁ、私はその間に食事の準備とかしようかな?
 




