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転生して前世の俺の妹になりました  作者: ニャンネコ大尉
あったかもしれない、そんな世界で───
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38 校舎に侵入!

『う~ん、今は授業中なんでござるか?』


『人は全然いないね』


 校門から入って敷地の中に侵入する。

 敷地内に入ると思うのは、誰もいないからかもしれないけど広く感じる。 中学校より広いのは確実だけどね。


『校舎に入ってみるでござるよ』


『そうだね、ここにいても仕方ないし』


 授業中なら自由に行動できるし、休み時間になる前に入っちゃった方がいいよね。


『そういえば奈留なるちゃん。 校舎結構数あるでござるけど‥‥りくさんが授業してる教室って何処でござる?』


『あ、知らない‥‥。 というより階数すらわからない!』


 お兄様の学校での話はたまに話してくれるので色々と分かると思ったが、何階で何処の教室でなんてそんなこと話しているわけもなく‥‥どうしよう!


奈留なるちゃん、ここはもう、一つずつ教室をあたってみるでござるよ』


『ごめんね、つぼみちゃん‥‥』


 はぁ、怪しまれるかもしれないけど聞いておくべきところを‥‥いや、今から言っても仕方ない、頑張ろう。




 ◇◆◇◆◇◆




『いやー、こう言っちゃ悪いかもしれないでござるが、中学校のちょっと綺麗になったぐらいの感じでござるな』


『でも、新鮮ではあるけどね‥‥』


 高校はあと一年だけど、あまり実感というものがないからね。


『楽しみでござるなぁ‥‥っと次はこの教室でござる』


『一階から見てきて、三階だけど‥‥お兄様見当たらない‥‥』


『いないなんてことはないでござろうし、もうそろそろ────って! 奈留なるちゃん! この教室の後ろの席!』


『え、いたの!』


 私は教室の中を覗き込むとお兄様が真剣に授業を受けているのが見てとれる。

 ふぁ‥‥授業を受けているお兄様も格好いいなぁ‥‥。


奈留なるちゃん、奈留なるちゃん! りくさんに見とれてないで、隣を見ないと!』


『あ、そうだった! えっと隣の人は‥‥‥‥』


 ‥‥き、綺麗な人。

 思ってたよりはるかに美人だ‥‥まさかここまでとは‥‥。

 森田もりた先輩があれだけ言ってたんだから、当然なんだろうけど。


『でも、今は授業中だから、どんな感じかまではわからないし、もう少し見てみる必要があるね、つぼみちゃん』


『‥‥』


つぼみちゃん?』


『‥‥あ、そうでござるね! でも、まだ授業は終わりそうにないし、時間を潰せる場所を探すでござるよ』


『うん』


 何だか一瞬(つぼみ)ちゃんの様子がおかしかったような気がしたけど‥‥気のせいかな?

 ‥‥う~ん今は笑顔だしな。


 そういえば、森田もりた先輩今日お休みなのか、姿が見えなかった。

 確か同じクラスだったよね?

 森田もりた先輩が風邪を引くとは思えないけど、もしそうならお兄様が帰ってきたら話してくれるだろう。

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