30 仕事の予定
学校からの帰り道。
蕾ちゃんと、そして充電したのか復活したプカプカ浮かんでいるアイちゃんとともに帰っていた。
「そういえば、奈留ちゃん。 家にはいつ泊まりに来てくれるでござるか?」
「あー、前に言ってたやつだね。 でも、蕾ちゃんの体調も悪かったし、正直まだまだ先の方がいいと思うんだけど‥‥?」
「何言ってるでござるか、奈留ちゃん! こういう時だからこそ、お泊まりは必要なんでござるよ!」
こういう時ってどういう時だろう‥‥。
体調が悪くなって、一人の不安とかで心細くなったとかではないよね、蕾ちゃんに限ってはありえないたろうけど。
「まぁ、別に私は断る理由はないけど、いつくらいにするの?」
流石に、明日! とか言われたら断るしかないけど‥‥まぁ、流石に学校のある日は蕾ちゃんもしないだろう。
「来週とかどうでござるか!」
まぁ、それならいいかな?
私が返事をしようとしたとき、横からアイちゃんが話に入ってくる。
『マスター、来週はお仕事の予定がぎっしり入っておりますが?』
「‥‥マジでござるか。 ち、ちなみにキャンセルとかは?」
『出来るわけありませんよ。 そもそも、面倒な仕事は固めておこうって言って、まるごと来週に仕事を持ってきたのはマスターですし、体調が悪かった時に出来なかった仕事も含めると、来週に暇な時間などありませんよ』
「そ、そんな馬鹿な‥‥。 というか、アイちゃんちょっといつもより厳しくない?」
『厳しい、厳しくないではなく、事実を申しているだけです』
蕾ちゃんは自分の個人の発明のほかに、企業なんかの依頼などをうけて、物を作ったりしている。
中学生に依頼するって、その企業はまともなのか一瞬疑問に思うが‥‥蕾ちゃんだからね‥‥。
まぁ、蕾ちゃんはそんな色んな仕事をうけて、お金を稼いで、独り暮らし出来ているみたいだからね。
開発費もかかるみたいだし‥‥。
ここは、私の方からちゃんと言うべきだろう。
「じゃあ、もう少し後に日にちをずらそうよ。 蕾ちゃんも大変でしょ?」
「いや、来週の仕事を今週やれば大丈夫でござる。 そして、今週の仕事は今日やれば大丈夫でござるよ!」
なんか無茶苦茶なこと言い出したよ、蕾ちゃん!
そうして、蕾ちゃんはマンションに向かって走り出した。
そして、残った私とアイちゃん。
「アイちゃん、いけるの?」
『無理ですね。 さすがのマスターでも来週仕事入れすぎてましたので』
「あ~‥‥じゃあ一応、用意して予定は開けておくけど、期待はしないでおくね」
『そうしておいてもらえると助かります。 もしかするとマスターですから終わるかもしれませんので』
AIが無理って言って、それを覆したら流石に凄すぎるけどね‥‥。




