28 効率のよい?
「いや~昨日は本当に申し訳なかったでござるよ、奈留ちゃん」
「蕾ちゃん別にいいよ、そんな悪いことしたわけでもあるまいし」
次の日、いつもと変わらず登校している私と蕾ちゃん。
いや~、一日でよくなってよかったよ。 まぁ、もしかするとその前の休みから体調が悪かったのかもしれないけど‥‥。
「そうなんでござるけどね。 ノートとか見せてもらったり色々としたでござるし」
「別にいいよ。 というか、蕾ちゃんなら授業受けなくても問題ないでしょ?」
「たまにノートを提出しろとかいう、休み殺しの出来事があるでござるし、奈留ちゃんには助けられてるでござるよ」
まぁ、私も休んだときは蕾ちゃんに見せてもらうだろうし、お互い様だろう。
『では今度、教室にカメラを設置して、休みの時にでも家で見れるようにしてはどうでしょう?』
「流石に教室を改造するのは最終手段でござるな~」
「やるっていう可能性がある時点で駄目だよ!?」
蕾ちゃんから人には気付かせないだろうけど、許可ないと盗撮だし!
ちなみにそんないけないことを提案したアイちゃんなのだが、蕾ちゃんが心配ということで、いつもとは違って、外でも姿を出している。
アイちゃんは家の時とは違って、新しく開発した機械を使って姿を表示している。
小さな核のようなものが中心で浮いていて、そこから姿を映しているそうで、携帯や映す機械がない場所でも自由に単独行動が出来るみたい‥‥まぁ、説明されてもちょっとよく分からなかったけど‥‥。
それと一応、他の人には見えていないみたいな設定にしたらしいんだけど‥‥どうやってやっているかはわからないけど、いつもの謎の技術。
『マスターが作れば、学校ももっと効率のよいものになるはずです』
「まぁ、本当に出来てしまいそうなのが怖いところだよね‥‥」
許可さえあれば、何でも出来そうだからね。
「流石にそれは過大評価しすぎでござるよ。 それより、奈留ちゃん、今日もメロンパン売ってるでござるよー!」
「蕾ちゃん! 今日はあまり寄り道する時間が───ってもう買おうとしてるし!」
もう、いつもの調子を取り戻したのはいいけど、そういうところは戻らなくてもいいよ、全く‥‥。
『マスターは我が道を行く感じで、格好いいですね』
「アイちゃんはマスター大好きっ子だね‥‥」
今のを見て、ほめちゃうところがアイちゃんらしいね‥‥。
その後、蕾ちゃんの手を引っ張り、学校に連れていくことでギリギリ遅刻することを逃れた。
◇◆◇◆◇◆
授業中になったあとも、アイちゃんは私からははっきり見えており、何故かプカプカと空中を浮いたりしている。
‥‥何だろう、全然授業に集中できない!
「蕾ちゃん、アイちゃんあのままでいいの?」
「あー今、少し実験中で浮かせてるんでござるよ!」
「授業中に!?」
少し声のボリュームが大きくなってしまい、回りの人がチラッと私の方を見る。 私は軽く頭を下げる。
もう、授業中にそんなことして‥‥これじゃあ、休んでいるときと同じだよ‥‥。




