25 お昼に小乃羽ちゃんと
いつもは学校にいる間、蕾ちゃんと一緒にいることが多い、というかクラスでは蕾ちゃんとしかいないので、蕾ちゃんが休んでしまっている今は一人でいる。
こういう状況になると、やっぱり友達が多い人はいいなぁと思うことがある。
クラスメイトを見回すと、なにもしてなくてもいろんな人が寄ってくる灘実さんの姿が目にはいる。
どうしたらあんな風に出来るんだろうか‥‥いや、流石に教えてもらったとしても私には出来ないだろう。
‥‥そろそろ授業が始まりそうだし、集中しますか。
◇◆◇◆◇◆
「師匠がそんなことになっていたとは‥‥」
「あれ? 小乃羽ちゃんも知らなかったんだね」
昼休み、私は偶然小乃羽ちゃんと出会い、二人で昼食をとっているのだが、蕾ちゃんのことを話すと、小乃羽ちゃんは知らなかったようだ。
心配させたくなかったんだね、きっと。
「きっと、言っても意味がないと思って言わなかったんですよ。 全くもう、酷い話ですよ!」
「いやいや流石に心配させたくなかったんだよ」
「それでもアイちゃんが報告してくれてもいいはずなのに‥‥私弟子なんですよ」
そうか、アイちゃんが携帯にアイちゃんの意思で連絡することも出来るのか‥‥本当に凄いですね、AIって。
それより、先程から小乃羽ちゃん笑顔が少なくなっているような気がする。
やはり、知らされないのは悲しいもんね‥‥。
でも、私も毎日のお迎えがなければ知らなかった訳だから、別に私に知らされて、小乃羽ちゃんが知らされてないということではないんだけどね。
まぁ、小乃羽ちゃんが言っているのはそういうことではないんだろうけど。
「あはは‥‥それで、小乃羽ちゃんは今日蕾ちゃんの家に行くの?」
「出来れば行きたいところではあるんですけど、私が行っても特になにもできないでしょうし、奈留お姉ちゃんが行くなら私の出る幕はないですよ」
「いやいや、私は小乃羽ちゃんが手伝ってくれるのは嬉しいよ? もしよかったら学校が終わったら一緒に行く?」
「いいんですか?」
「うん。 まぁ、途中でスーパーに寄ったりとかはするだろうけどね」
そもそも、小乃羽ちゃんも蕾ちゃんのことを心配してるみたいだし、そういう時は行った方がいい。
「買い物なら私も付き合います。 じゃ、じゃあお姉ちゃん! また放課後によろしくお願いします!」
「また放課後にね」
「はい♪」
そうして、小乃羽ちゃんは笑顔で去っていった。
やっぱり小乃羽ちゃんは笑っていた方がいいね!
よし、午後の授業も頑張らないとね。
そうして私も自分の教室へ戻ることにした。




