23 一日はあっという間で‥‥
お化け屋敷の後も少しの休憩を挟みながら、コーヒーカップに乗ったり、他にも色々な遊具に乗って過ごした。
「そろそろ帰ろうか」
「そうですね。 帰るときには暗くなりそうですし」
中学生なので、あまり暗くなりすぎると危ないしね。
昔のあの出来事のようにいつ危険なことが起こるかわからないから‥‥。
「えーもっと遊びたいでござる!」
「これからですよ、奈留お姉ちゃん!」
来たときやお化け屋敷などに行ったときなどは、テンションが低かった蕾ちゃんも今は凄くテンションが高い。
でもなぁ‥‥二人の言うとおりにしていたら、閉園までいそうだし‥‥。
「そうですか‥‥じゃあ、より雰囲気も出てきますし、もう一度お化け屋敷に行きましょうか?」
「「全力で帰らせていただきます!」」
そう言ってくれてよかったんだけど‥‥。
しかし、そんなに断るって、相当お化け屋敷怖かったんだね、二人とも‥‥。
「あはは‥‥でも、遊園地にはまたこれたらいいね」
「そうでござるな! 今日乗れなかった物もあるでござるし」
「いいですね♪」
今回は森田先輩のお陰で来たようなものだから、今度は森田先輩も誘えたらいいなぁ‥‥。
まぁ、二人がいいって言ったらだけどね。
◇◆◇◆◇◆
「今日は楽しかったな」
「そうですね、行ってよかったです」
家に帰ったお兄様と私は家でゆったりとくつろいでいた。
あまり疲れていないと思ったが、人混みで精神的には疲れていたのか、謎の脱力感がある。
「広葉も残念だったよな。 まぁ、去年行ってるんだが」
「去年、お兄様も行ってましたよね? どんな感じだったんですか?」
「あぁ‥‥うんちくを話したり、あとは出会いを求めてたな‥‥。 一切何もなかったが」
「そ、そうなんですか‥‥」
森田先輩らしいというか、じゃあ今日いなくてよかったかもしれない。
蕾ちゃんと小乃羽ちゃんが色々と危なかったかも。
「まぁ、それはそれで楽しかったからいいんだが‥‥」
「そういえば、森田先輩って彼女とかいないんですか?」
「いないな。 昔仲良くしてた子はいるが、かなり前だからな‥‥。 それ以降、女性の影は全くといっていいほどないな!」
「そ、そんなはっきり‥‥! でも、そんな幼なじみみたいな子がいたんですね。 今は何してるんですか?」
「いや、それはわからないな。 当事者の広葉も覚えているか怪しいところだしな。 俺も記憶力はいい方だと思うんだが、その辺の記憶も曖昧だし」
それほど前なんですか‥‥まぁ、いつか森田先輩にもそういう恋人のような人が出来たらいいですよね。




